こんな保険、入ってる意味あるの?

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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「タカ、相談したいことがあるの・・・」

 

これは先日、僕が母親から突然言われた

一言です。

 

悲壮感の塊(かたまり)のような表情で

こんなことを言われたので、僕も

 

何事だ!?!?

 

と思い、どうしたの??と聞くと…

 

「車、ぶつけちゃった・・・」

 

・・・・・・

 

幸いにも母に怪我はなく、ただ車を

塀にこすってしまったらしいです。

 

来年で60歳になる僕の母親ですが、

ほぼ毎日運転をしている為、そこそこ

運転も上手いのですが…

 

気を抜いてバックしていたら、

塀があることに気付かずにゴリッっと

やってしまったみたいです。

 

ブレーキランプが割れ、ボディも削られ

灰色になっていました。

 

形あるもの、いつかは壊れますし、

怪我がなくて何よりでしたが・・・

 

車は修理しなければなりません。

 

なので、この修理についての手順を

相談したいのかと思ったのですが、

そうではなく、

 

『車の保険を使わずに修理したい!』

という相談でした。

 

なんで保険を使わないの??

使えばいいのに… でも使いたくない。

 

その理由は、

『保険を使うと、翌年の保険料が上がる』

からです。

 

 

【使いたいときに使えない保険】

 

自動車保険の知識がある方ならピンと

くると思いますが、事故を起こし、

自動車保険を利用すると…

翌年からの保険料が高くなります。

 

これは、事故を起こすと保険会社から

 

『この人は事故を起こす可能性が高いから、

その分、保険料を高くしないといけない!』

 

という判断をされるからで、自動車保険は

このような仕組みになっています。

 

この為、「修理代」と「保険料の値上がり」

を比較して、修理代の方が安い場合は、

“保険を使わない”選択をしたほうが

お得になる場合があります。

 

だからこそ、うちの母親も

「どうしたら良いだろうか?」

と、相談してきたのです。

 

修理代金の見積を取得し、保険を使った

場合の保険料の値上がりを調べた結果、

保険を使わず修理する事にしました。

 

そして思ったのが、

「自動車保険って、意味ないじゃん!!」

と、いうやりきれない気持ちです。

 

 

【使えない保険に入っていませんか?】

 

もちろん、自動車保険に入る意味は

あります。

 

特に、人をひいてしまう等の大きな事故

を起こした場合など、保険に入っていない

と大変なことになりますからね。

 

ただ、「使いたいときに使えない」と

こんな気持ちになってしまいます。

 

しかし、これは自動車保険に限った話では

ありません。

 

もしかしたら、あなたもこんな保険に

入っているかもしれませんよ?

 

「大人になったのだから、そろそろ保険に

加入しておいた方が良いです!と言われ…」

 

「保険屋の友達が入ってと言うから、

仕方なく加入し、そのままにしている」

 

「親がかけてくれていたものを、そのまま

引き継いで自分が支払っている」

 

このような方は、注意した方が良いですね。

 

では、『使いたいときに使えない保険』には

どのようなものがあるか、代表的なものの

注意点を紹介したいと思います。

 

 

1.医療保険の日額給付

 

「入院したら110,000円の給付金が

支払われます」

 

この10,000円が日額給付と言われるもので、

多くの方が10,000円~10,000円のものに

加入されています。

 

その適正金額については割愛しますが、

この「支払い条件」に注意が必要です。

 

最近の医療保険は、「入院1日目」から

出るものが当たり前。

 

しかし、何年も前に入ったものだと、

「入院して5日経ったらもらえる」

など、条件が付いている場合があります。

 

現在は医療の進歩などの要因で入院期間が

とても短くなっている為、12日や

23日の入院も多くなってきていますね。

 

そんな現代に、加入している保険が

5日入院しないと保険金がもらえない…

 

これでは保険に入っている意味が薄れて

しまいますね。

 

※実際に僕の父がこのタイプの保険に

今年の春まで入っていました…

まさかこんな身近にいたとは…

 

 

2.火災保険の免責金額

 

これから家を購入しようとしている人は、

この内容はとても重要なので注意して

ください。

 

家を購入する時、住宅ローンを使う場合は

火災保険に入らなければなりません。

 

もし住宅ローンを使わなかったとしても、

もしも家が火事になってしまった場合に

備えて火災保険に加入するのが一般的です。

 

それ以外にも最近の火災保険は、住宅総合

保険と言い換えられ、最近話題の「水災」

や「雪の災害」「風の災害」などにも対応

できるようになっています。

 

色々な保障内容、そして色々な保険会社の

商品があるのですが、注意してほしいのが、

 

『免責金額(めんせききんがく)』

 

と言われるものです。

 

これは、事故が発生し、保険を使う際に

あなたが自分で負担しないといけない金額

のことを言います。

 

例えば、火災が発生し、修理費用が

100万円かかるとしましょう。

 

「免責金額なし」の保険なら損害額である

100万円をまるまるもらう事ができますが、

 

「免責金額20万円」の保険なら損害額

から20万円引かれた80万円しか保険が

おりないことになります。

 

100万円の事故なら80万円もらえますが、

もし20万円以下の損害事故の場合、

 

「保険を使いたいけど免責金額が20万円

かかるから、結局もらえない…」

 

となってしまいます。

 

こう話すと誰もが

「免責金額なしの保険に入るに決まってる」

と、思われるのですが、

 

実は、免責金額を設定することで、保険料

を抑えることができるというメリットが

あるのです。

 

保険の契約をするタイミングは、おおむね

家が完成する直前です。

 

完成までの過程でオプションを追加し、

予算オーバーになってしまっているときに、

 

「免責金額を設定すると保険料が安くなる」

 

と言われると、免責金額を設定してしまう。

しかし事故が起きた時に保険が使えない…

 

事故が起きた時に使えない保険、

あなたは加入する意味あると思いますか?

 

 

・・・・・・

 

このように、一口に保険といっても保障

内容や給付条件などが異なります。

 

このあたりをしっかりと把握した上で

使える保険、使えない保険を考える必要が

あります。

 

もし、保険の加入や見直しを検討している

なら、この点に注意して検討してみて

くださいね。

 

新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。