建売住宅を買う前に知ってほしい事実

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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早速ですがこちらの写真をご覧ください。

 

アンカー

ペットボトル

ボロボロ

 

以前撮った写真ですが、何かわかりますか?

 

これは木造住宅の『基礎』になります。

 

鉄筋を組み、型枠をつけ、コンクリートを

流し込み、固まったら型枠を外す。

 

この工程を進めると写真のような

木造住宅の基礎が完成するのですが・・・

 

言葉を選ばずに言わせてもらうと、

この基礎は、私が今まで見てきた中で

“最低”で"最悪”です。

 

写真では見えませんが釘や型枠のカケラ、

折られた鉄筋などの廃棄物はもちろん、

 

飲み終えたペットボトルなどのゴミが

掘られた部分に捨てっぱなし。

 

このまま埋め戻されても、わかりません。

 

基礎と木造部分を接続するアンカーボルト

は極端に折れ曲がり、基礎の中心からも

かなりズレている状態。

 

パッと見ただけでわかる程、ボロボロに

欠けているコンクリートは、お世辞にも

しっかりとした基礎とは言えません。

 

家の近くを運転していた時に、何気なく

目についた工事現場だったのですが、

 

運転中に車内から見てもわかるくらい、

“ひどい基礎”だったので、

 

車をUターンさせ、敷地の外から

じっくりと見させてもらいました。

 

ちょうど土日ということもあり、

現場には業者さんがいませんでしたが、

長期間不在にする現場の管理としては

どうなんだろうと思いましたね。

 

ただ、これも仕方ないんです。

こうならざるを得ない理由がありますから。

 

 

とにかく工事費を安くしろ!

 

この家は『建売住宅』です。

 

不動産屋やハウスメーカーが

土地を買い、家を建ててから、

「この物件を○○○○万円で売りますよ!」

っていうものです。

 

建売住宅のメリットとしては、

 

●完成した物件を見てから購入できる為、

 間取りや日当たりなどを確認できる

 

●既に完成しているので、「買いたい!」

「住みたい!」と思ったらすぐ購入できる

 

などがあげられますが、中でも

 

『注文住宅と比べ、圧倒的に価格が安い!』

 

これを一番のメリットとして建売住宅を

選択される人が多いのではないかと思います。

 

家の間取りやデザインに”こだわり”がなく、

住居にお金をかけたくない人なら、

とても魅力的かもしれません。

 

例えば、注文住宅の場合、

4,000万円するような物件が、

 

建売なら3,700万円、場合によっては

3,500万円以下で購入することができます。

 

この価格は魅力的ですよね。

 

でもなぜ、注文住宅と比べて

『圧倒的に価格が安いのか?』

をあなたは考えたことがありますか?

 

これはあなたが想像している通り、

「使っているものが安いから」

という答えで、ほぼ間違いありません。

 

もちろん、注文住宅と比べて

・打合せの時間や人件費を削減できる

・大量発注、大量生産による原価圧縮

・その分、利益率が低い

ということも一部あるものの、

 

やはり一番の理由は“安いもの”を

使っているからですね。

 

床、扉、断熱材、ボイラー、キッチン、

お風呂、洗面台、外壁、屋根、基礎・・・

 

その他にも家を作るためには、

何千、何万もの部材を使っていきますから、

 

それら一つ一つのコストを落とせば、

おのずと全体のコスト圧縮につながります。

 

 

職人の人件費を抑える

 

部材コスト圧縮は当然ですが、それ以上に、

工事費を抑える秘密があります。

 

それが大工さんを始めとする職人さんの

人件費を削減するという方法です。

 

当然ながら、家は部品さえあれば

完成するものではありません。

 

建ててくれるのは『人』ですよね。

 

・基礎屋さん

・大工さん

・屋根の板金屋さん

・給排水設備屋さん

・電気工事屋さん

・塗装屋さん

・完成後の清掃屋さん

 

さらには、基礎屋さんといっても

・土地を掘り返す人

・型枠を組む人

・鉄筋を組む人

・コンクリートを流し込む人

などなど、多くの人が関わっています。

 

家を建てる為には、これらの方の人件費が

材料費と同じくらいかかっています。

 

結論、これらの人件費を削減することで

工事費用は圧倒的に安くなります。

 

一日当たり110,000円払う日当を

10,000円にすることができれば

人件費を約3割もカットできますし、

 

また、通常3か月(90日間)かかる

工事期間を2か月(60日間)に圧縮しても

かかる人件費は約3割カットできます。

 

このようにして人件費をできるだけ

圧縮させようとするのです。

 

 

職人の立場で考えると・・・

 

さて、

「通常なら110,000円もらえるのに、

この仕事では10,000円しかもらえない…」

 

と、なった時の“職人さんの気持ち”を

考えてみましょう。

 

どうでしょう・・・

 

一生懸命お仕事してくれるでしょうか?

正直、やる気、なくなりますよね??

 

あなたが月収30万円あったとして、

「今月は20万円しか払わないから」

と言われたとしたら、

 

確実にモチベーションは下がるでしょうし、

仕事に身が入らないのではないでしょうか。

 

また、通常3か月の納期がある仕事を

「お給料はいつも通り払うけど、

急ぎなので2か月でやって」

って言われたらどうでしょう?

 

「マジ無理だから!」

「いや、やれって言われればやるけど…

その変わりクオリティは保証しませんよ?」

 

ってなりませか?

 

私はゴミ人間なので、そう思っちゃいます。

 

冒頭の基礎工事の写真に戻りますと、

この雑な工事も、決してほめられた

ものではありませんが、

 

そういった裏事情があることを

理解できれば、私は納得できます。

 

 

何を求めるか?です

 

今日のお役立ち情報で伝えたいことは

「建売は安かろう悪かろうだからダメ」

っていうことではありません。

 

安いものにはそれなりの理由があり、

それを知ったうえで自分が何を選択する

のかを考えてみましょうということです。

 

“雑な基礎”ですが、建築基準法をクリアし、

役所の承認を得た基準の『基礎工事』です。

 

「建築基準法をクリアしているなら

倒壊することはないでしょ!」

っていう考えの人もいると思いますし、

 

「とは言っても、一生に一度の買い物で

この作りは嫌だから、少し高くなっても

しっかりとした工事をしてもらいたい!」

 

と思うかは、個人の『価値基準』次第です。

 

私も、無農薬野菜や国内生産の牛肉など

「食の安全」については興味はあるものの、

 

「とは言っても、農薬野菜や海外のものを

食べても死なないでしょ??」

ってことで、安い海外のお肉を買ったり

するわけで・・・

 

本質は同じだと思います。

 

ただ、

「その事実を知って買う」のと

「知らないで買う」のとでは、

天と地ほどの違いがあると思います。

 

是非、一生に一度の住宅購入ですから、

そのあたりも理解した上で最良の選択を

してもらいたいなと感じた現場でした。

 

※世の中の建売住宅、全てが上記のような

手抜き工事であると断定しているものでは

もちろんありません。

 

注文住宅と同じ部材で、同じ手間暇をかけて、

しっかり現場管理をしている会社もあります。

 

ただ、完成物件を見ただけで判断するのは

とても難しいですね。

 

 

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新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。