営業マンの断り方、教えます

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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先日、郵便局へ行ったときの出来事。

 

20歳から80歳の方へ!」という、

目を引くポスターが目の前に。

 

内容を見ると、それは

「生命保険に加入してお金を貯めよう」

という、生命保険加入のポスターでした。

 

窓口の女性も、ご年配の方に対して

「何か保険に加入していますか??」

「それなら、こちらにした方がお得ですよ」

と、セールスをされていました。

 

僕は他で貯蓄をしているので、

「あまり関係がないなぁ」とポスターを

眺めていると「番号札●番の方」と、

窓口から僕を呼ぶ声がかかりました。

 

窓口へ行き、僕自身の郵便局へ行った

目的は即、終了したのですが・・・

 

想像通り、保険のセールスへ移行しました。

 

しかし、先程のご年配の方と同じように

保険加入をプッシュされたのですが、 

僕のある『一言』により、

 

「あ、そうでしたか。わかりました・・・」

と、セールスを辞めてくれました。

 

さて、僕はその方になんと言ったので

しょうか?

 

もちろん、大声で怒鳴ったり、軽く

あしらったりした訳ではありませんよ。

 

僕が伝えた、その一言とは・・・

 

「僕、保険屋なんです」

 

これを言った瞬間、局員さんは

「ぐうの音もでない…」

と、いった感じで僕に保険を

売ることを完全に諦めてくれました。

 

きっと保険屋に保険を売るのは、ほぼ無理

と思って諦めてくれたんだと思います。

 

 

【家づくりで”予想外”に大変なこと】

 

僕は、家を建てることは「楽しいこと」だ

と思っているのですが、やはり大変なこと

もあります。

 

・土地探し

・ローンの返済計画を考える

・ショールームをいくつも回って見る

・商談の為に、お休みを調整する

 

などなど、他にも大変なことはあるの

ですが、実は・・・

 

「断る!」

 

という作業、とても大変です。

 

建築会社を決める過程で、プランや見積り

をいくつかの会社に提示してもらうことも

あるでしょう。

 

しかし、建てることができる会社は1つ。

 

それ以外の会社には、「お断り」をしなけ

ればなりません。

 

「○○ホームさんで建てることにしました。

なので、申し訳ないのですがお断りさせて

ください・・・」

 

このような形で断ることが多いのですが、

そう簡単には行かないのですね。

 

「いやいや、断るなんて簡単でしょ?」

と、思っていませんか??

 

実はそんなことないんですよ。

 

 

【断られてからが「営業」だ!】

 

僕も住宅営業をしていた時、何度も

「お断り」のお電話を頂きました。

 

僕は、お客様が考えに考え抜いて決めた

決断だと思っているので、

 

「そうですか、わかりました!とても残念

ですが、良い家を建ててくださいね!」

と、言って電話を切ります。

 

しかし・・・

建築業界はそんな甘い世界ではないのです。

 

『断られてからが営業だ』という上司から

の圧力を受け、「また電話をかけろ!」

と言われる。

 

電話に出ないものなら、自宅まで行って

でも、「もう一度会え!」と、言われる。

 

これは本当にあった話なのですが・・・

 

断ったにも関わらず、住宅の営業マンから

執拗に営業を繰り返され続け、奥さんが

「鬱(ウツ)」になってしまったという話を

新潟のFPに聞いたことがあります。

 

中には着信拒否、音信不通にするという方

もいるのですが、今まで色々とやってきて

もらったので、人としてしっかりと

『お断り』をしたいと考えられる方も

いらっしゃるでしょう。

 

そんな方の為に、営業マンが

「ぐうの音も出ない」断り方、教えます。

 

 

【相手を傷つけず、諦めさせる一言】

 

・主人が転勤になり、計画が白紙になった

・親戚の建築会社で建てることになった

などなど…

 

本当はこういった事実がないにも関わらず、

ウソをついて断ることもできるのですが、

あまりお勧めしたくはありません。

 

なぜならバレる可能性もありますし、

人生、できれば正々堂々、正直一番で

行きたいですよね。

 

なので、基本的には素直に、正直に

お話しをすることをお薦めします。

 

ただ、

「○○ホームさんにしようと思います」

だと、

 

「ちょっと待ってください!もう一度、

チャンスを!一度会いましょう!」

と営業マンに言われてしまいます。

 

あまり会いたくないと思っても、今まで

色々とやってきてもらった罪悪感から、

仕方ないからもう一度だけ会おうかな…

と、思ってしまう方も多いでしょう。

 

しかし、会ったら最後、また断れない

スパイラルに陥ってしまう・・・

 

では、どうしたらよいか?

 

その答えは、

「○○ホームの方が、●●の部分において

提案や性能が優れていた」

と、具体的に優位性を伝えることです。

 

ここでポイントとなるのは、

「お金ではない優位性」を伝えることです。

 

実は住宅会社は、お金の問題だけなら

「なんとかできる!」と、考える傾向に

あります。

 

相手よりも金額が高い理由を説明し、

場合によってはさらに値引き攻勢をかける。

 

一方で、自社にはできない相手の強みを

理由にしたお断りについては、

「うちでは、どうしようもできない…」

と、素直に負けを認める可能性が高く

なります。

 

また、もしお断りの電話で

「それ、うちの会社でもできますよ!」

と、相手が言ってきたとしても気にする

ことはありません。

 

なぜなら、通常やっていないことを

あなただけの為に今回、特別にやりますよ

という提案、一見親切な提案に見えるの

ですが、裏を返せば

 

「得意じゃないから普段やっていないけど、

今回はあなたの為にやってみます」

と、いうことだからです。

 

カレーとラーメン、どちらが食べたいか

迷って最終的にカレーだ!と思った時、

 

・カレーを毎日作っている専門店

 

・ラーメン屋だけど、カレーが食べたいと

 客がいうから仕方なくカレーをつくる店

 

どちらのカレーが食べたいと思いますか?

 

答えは明確ですよね。

 

・・・・・・

 

このように断られることによって、相手も

諦めがつきやすくなりますし、その担当者

も上司に対して、

「●●の点で当社が劣っていたようです」

と明確に伝えることができます。

 

そもそも、断っても

「もう一度、チャンスを・・・」

と、言ってくるような会社を候補に

あげないことをお薦めしますが。

 

もし、断りづらいなと思った時は、

この方法を試してみてくださいね。

 

新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。