これなら買える!と思わせる広告のテクニック

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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「ローンのお支払い、月々50,000円~」

 

家を買おうと思い始めたあなたも

こんなフレーズを目にしたことは

ありませんか?

 

賃貸アパートの家賃と変わらない、

いや、それ以下の金額で夢のマイホームを

持つことが可能です!

 

と、あおるチラシやCM、ネット広告の数々。

 

近頃、特に多くなったように感じます。

 

私も『地下鉄徒歩3分以内』超好立地の

新築マンションのチラシを先日見ました。

 

立地は文句のつけようがない。

外観は超豪華、内装イメージも悪くなく、

部屋の広さもそこそこある。

 

見るからに高そうなこの新築マンションが

「月々50,000円」で買うことができる!?

 

本当に?

 

 

買えるわけがない

 

そう、実は買えるわけがないんですよね。

 

この分譲マンションの販売価格は

一番小さな部屋で3,480万円していました。

 

仮に35年間、つまり420か月の間、

一切金利がかからないと仮定しても

3,480万円÷420か月で82,857円。

 

普通に考えると50,000円にはなりません。

 

しかしある条件が揃うと、あら不思議。

50,000円になるんですね~。

 

チラシには、その条件が記載されている

ものの、虫眼鏡で見ないとわからないほど

小さな字、かつ難しく書かれているため、

 

初めて家を買う人にとっては

とても“不親切な内容”になっています。

 

と、いうことで今回は

「なぜ50,000円になるのか?」

そのカラクリをお伝えしますね。

 

これを知っていればあなたもこのような

誇大広告に引っかからなくなるはずです。

 

 

1.住宅ローンの返済年数

 

数年前まで多くの金融機関の住宅ローン

返済年数は最長35年でした。

 

しかし、現在では多くの金融機関で

最長期間を40年に設定できるように

なってきています。

 

物件価格が同じ場合、短い期間よりも

長い期間で支払う方が月々の支払い金額を

少なく見せることができますので、

 

販売業者としては、“より売りやすい”

長期間での返済計画を表示したいのです。

 

住宅購入者の多くが20代後半~40代前半。

 

20代ならまだしも、40代の人が40年返済

を選択すると完済年齢は80歳を過ぎます

から、この選択は危険すぎるのが容易に

想像できますよね?

 

そんなことお構いなしでチラシには

40年返済の場合』

と小さく記載されていました。

 

気をつけないといけませんね。

 

 

2.現在最安の金利で計算

 

金利タイプは様々ですが、大きく分けて

 

金利は高いが変動しない『固定金利』と

 

金利は低いが将来の金利がどうなるか

わからない『変動金利』があります。

 

この場合、将来の金利=支払金額が

わからないにも関わらず、金利の低い

『変動金利』で表記されているチラシが

ほとんどです。

 

金利が低ければ毎月の支払額も低くなり、

売りやすくなりますから当然ですね。

 

将来の金利がどうなるかもわからず、

後々の支払金額が増えるかもしれないのに。

 

また、変動金利には

「最初の○年だけ、さらに安い金利で

優遇しますよ」という

『固定期間選択型』というものがあります。

 

例えば、

「最初の3年だけ0.7%で固定します」

という『3年固定特約』。

 

この3年間については0.7%になりますが、

3年経過後はそれよりも高い変動金利に

移行するのが一般的です。

 

最初30.7%→以降1.2%とかですね。

 

チラシには

「最初の3年だけですよ」

とはもちろん書かれておらず、

 

3年固定の場合』

と難しく書かれているに過ぎません。

 

本当に不親切ですから気をつけてください。

 

 

3.ボーナス払い

 

同じ3,480万円の物件でも、

月々分割して払う方法、そして

それにボーナスを組み込む方法があります。

 

3,480万円を金利0.7%35年の返済、

毎月払いにすると『93,445円』です。

 

しかし、これを

・ボーナス時に約20万円入れる設定

・しかも40年払い

にすると毎月の支払いは

49,695円』と50,000円を切ります。

 

今後ボーナスがずーっと続く保障は

全くなく、これに頼るのはかなりの

リスクになると考えられます。

 

そもそも40年払いってほとんどの方が

退職をされているのに、売りやすさ重視で

このローンシミュレーションを広告に

載せるのはいかがなものかなと思いますが。

 

 

4.頭金を勝手に入れてられている

 

3,480万円の物件をどのような方法で

購入するのかは、購入者本人が考える

ことになります。

 

具体的には

1.住宅ローンだけ、頭金を一切いれない

2.住宅ローンを使わずに現金で一括払い

3.住宅ローンと頭金の併用

このいずれかになるでしょう。

 

一番多いのは『3』です。

 

これを想定してなのか、広告上で勝手に

頭金を入れる設定になっているものが

あります。

 

前述の条件で3,480万円をローンだけで

支払う場合、毎月の返済は『93,445円』に

なりますが、

 

ここに頭金を480万円入れて、ローンは

3,000万円しか組まないことにしていたと

したら、『80,556円』となります。

 

チラシにはこのように

『頭金をいくら入れた場合の支払い額です』

と書いてあるケースもあるので注意深く

みるようにしてください。

 

 

5.一部、別途でかかる費用を見せない

 

マンションは物件の購入金額以外にも

・駐車場代

・管理費

・修繕積立金

などが別途かかります、ご存知でしたか?

 

ただ、これらってチラシの下にとても

小さな字で書かれているんですよね。

 

虫眼鏡を使わないと見えないのでは?と

言っても大袈裟ではないくらいに小さく。

 

ちなみに、マンションだけではありません。

 

注文住宅も「建物代金のみ」と表記され、

 

・外部給排水設備、照明器具は別途

・外構工事(アスファルト舗装など)別途

・土地代金は含まれていません

 

と、実際に住むには必要になるお金が

含まれない形でのローンシミュレーション

がされている広告もあります。

 

これらがないと住むことができないのに、

建物代金分だけのローン返済額が

書かれていても意味ないと思うのですが…

 

やはり広告でお客さんをどのように

引き付けるかだけを考えると、

このようにまずは興味を持ってもらう為の

あの手この手を使ってくるのだと思います。

 

 

・・・・・・

 

今回上げた15の方法を使うことで

毎月の支払金額は5万円、場合によっては

10万円も安く見せることができます。

 

これらを露骨に出せば出すほど、

実際に説明を受けた時のあなたの売り手に

対する印象は悪くなるでしょう。

 

しかし、相手もプロです。

 

これらの方法をすべて使わずとも

ちょうど良い、上手い組み合わせで

あなたが買いやすいように提案してきます。

 

しかし、いずれにしてもそれは

『見た目を良くする数字のテクニック』

に過ぎません。

 

まずは本当に購入できる予算内なのかを

見極め、その上でどのような支払い方法に

するのがベストなのか?を考える。

 

この順序で進めるようにしましょう。

 

 

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新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。