あの会社、もうすぐ潰れるらしいよ

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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先日、住宅業界の広告代理店をしている

会社の方と打合せする機会がありました。

 

様々なハウスメーカーや工務店が掲載

されている雑誌を扱っている会社の方で、

色々な情報を教えてもらっています。

 

最近のお客様の動向や、前年同日対比で

モデルハウス来場がどうなっているか?

と、いった真面目な硬い話だけではなく

 

「最近、勢いある会社はどんな会社?」

「あの会社、業績良くないんだ??」

 

こういう話を聞くのが僕は大好きです。

 

僕は、お客様にベストな優良建築会社を

ご紹介するサービスもしている為、この

ような情報収集はとても大切なんです。

 

ただ、その担当者さんと会うと、さらに

踏み込んでこんなことも聞いてしまいます。

 

「ぶっちゃけ、潰れそうな会社は??」

 

 

【潰れる会社の傾向とは?】

 

札幌でも消費税が5%から8%に上がった

タイミングで、多くの建築業者が潰れて

しまいました。

 

「消費税が上がる前に建てたい!」

と、考えるお客様が多く、その反動で

8%になった途端、家がなかなか売れなく

なってしまったからです。

 

住宅会社が倒産する理由の多くは、

「家が売れなくなるから」です。

 

家が売れなければ、利益を出すことが

できませんし、社員に給料を払うことも

できなくなります。

 

その為、当たり前ですが建築会社にとって

家を売ることはとても大切なのですが…

 

実は、世間であまり知られていない

「倒産する会社の傾向」があるのです。

 

それは・・・

 

「適正な利益をお客様からもらえてない」

建築会社です。

 

 

【家が売れれば良いわけではない!】

 

会社を運営していく為に、適正な利益が

必要なのは当たり前なのですが、実際には

お客様からこの利益を頂けていない会社が

たくさんあります。

 

理由は、自分たちの利益を削ってでも、

契約を取りに行くからです。

 

金額の高い、低いだけで勝負している会社

になると、この傾向が特に強くなってしま

いますね。

 

ギリギリの金額で提示しているのに、

「あと100万円下げてくれたら契約するよ」

と言われ、利益を削って契約を取る。

 

利益がいくら出るかよりも、まずは契約が

取れなければ利益は「0(ゼロ)」ですから、

利益を下げてでも契約を取ろうとする。

 

一見、利益が全く出ないよりは出た方が

良いのでは?と思われがちなのですが…

 

実はこういった会社が次々と倒産して

しまっているのです。

 

 

【倒産してしまうメカニズム】

 

もし1軒の家を建てるのに100万円、

通常よりも利益が少なかったらどうなる

でしょうか?

 

どうにかしてこの100万円を違うところ

から捻出しないといけなくなります。

 

そうなると、例えば下請け業者に支払う

お金を渋る会社があるのです。

 

例えば、通常100万円で工事してもらって

いる作業を80万円でやらせる…

 

そうなるとどうなるでしょうか?

 

業者さんはいつも通りのお金がもらえない

下請け業者さんの士気の低下

工事が雑になる、最悪の場合、手抜き工事

お客様からクレームが発生

会社の費用負担でメンテナンスをする

そのメンテナンス費を捻出できない

メンテナンスをしないようになる

お客様から悪い評判

契約が取れなくなる

倒産・・・

 

 

また、利益が出ないことを理由に社員の

ボーナスをカットするといった方法に

会社が出てしまうと…

 

もらえると思っていた給料がもらえない

従業員の士気が低下、会社への不満増大

お客様へのサービス品質の低下

選ばれない会社になってしまう

契約が取れない

倒産・・・

 

このような流れを辿っている会社は

とても多いようです。

 

建築業界、特に住宅メーカーは人の移り

変わり、出入りの激しい業界です。

 

私は色々な建築会社の方とお話しをする

機会が多いのですが、その方々からこの

スパイラルにハマった会社から転職しま

した…という話をよく聞きます。

 

さて、あなたが検討している会社は、この

悪いスパイラルにハマっていませんか?

 

 

【潰れない会社を見極める方法】

 

「大手だから潰れない」

これは今の時代、通用しないでしょう。

 

JAL(日本航空)が会社更生法の適用を

受ける時代です。

 

そのような時代に“絶対潰れない会社”を

見極めるのは非常に難しいかもしれません。

 

しかし、その可能性が少ない会社を

見極めることは可能です。

 

僕がお薦めする見極め方、それは

「他社には真似できない強みを持っている」

会社です。

 

例えば、

・自社で開発した省エネ暖房システム

・宅地分譲では札幌で一番の実績

・オリジナル家具を家とセットで販売

 

このような「この会社を選ぶしかない」と

思える強みがある会社は時代が変わっても

選ばれ続ける可能性が高いです。

 

その会社に魅力があり、選ばれ続けると

いうことは、安売りしなくてもお客様を

獲得し続けることができるということです。

 

断熱もそこそこ、アフターフォローも

そこそこ、デザインもそこそこ・・・

 

逆にこのような会社は選ばれる理由が

薄れていきます。

 

先延ばしになりましたが、消費税が10%

上がった際には、また30%程の会社が

潰れると言われています。

 

せっかく新築したのに、1年も経たない

うちに会社がなくなってしまった・・・

 

こんなことにならないように、目先のお金

だけではなく、建ててからのことも慎重に

考えて会社を選ぶようにしてくださいね。

 

 

新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。