100万円、余計に払った方がお得!?

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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「いやー、3,100万円か、厳しいな…」

 

これは先日お会いしたある住宅購入を

検討中の方が発した一言です。

 

その方は当初、3,000万円で家を建てよう

と計画をしており、計画より100万円飛び

出してしまいどうしようかな…

 

と考え、そのタイミングで出た言葉です。

 

この3,000万円という予算を、どのように

設定したのかは曖昧なのですが、家を購入

される方に

 

「ご予算はどのくらいですか?」

 

と住宅の営業マンが質問をすると・・・

2,500万円です」

3,000万円くらい?」

3,500万円までに抑えられれば…」

 

と、面白いことにほとんどの場合、なぜか

500万円刻み」の回答が返ってきます。

 

2,840万円までなら大丈夫なんですが…」

と、10万円単位で回答をされた方を私は

見たことはありません…。

 

多くの方がこのように回答する理由。

 

その理由は簡単で、

「予算をいくらにするべきなのか、

本当のところわからない」からです。

 

 

【最良の予算設定とは?】

 

多くの方が最初の予算設定をするとき、

「知人がいくらで家を建てたか?」

を基準としています。

 

知人には・・・

・会社の同僚

・親戚や兄弟

・学生時代の友人 などなど

 

この方たちとの会話で、

「実際、いくらで家建てたの??」

「うーん、だいたい3,000万円くらいかな」

(・・・俺も同じくらい行けそうだな!?)

 

このようにしておおざっぱな予算を決めて

いる方が非常に多いですね。

 

決め方は非常におおざっぱなのに、

100万円予算オーバーすると、

「いやー、厳しい…」の一言。

 

なんか矛盾している気がします。

 

それよりも、もっと気にしないといけない

ことがありますし、それを含めた予算設定

をしなければならないのですが…

 

しっかりそのポイントを考えている方は

そうそういません。

 

考えなければならないポイント、それは

『金利』と『水道光熱費』です。

 

 

【金利が重要な理由とは?】

 

「金利は、低い方が良いに決まっている」

 

このように理解されている方は非常に

多いですね、正解です!

 

お金を借りるなら、金利2%で借りるより

金利1.6%で借りた方が、返すお金が

少なくて済みますからね。

 

しかし、その0.4%の重みを理解している

方は、非常に少ない印象を受けます。

 

仮に3,000万円を2%で借りるのと、

3,100円を1.6%で借りるのを比較したら、

結果はどうなるでしょうか?

 

35年間、繰り上げ返済しなかった場合…

 

3,000万円2%の金利込み総支払額は、

41,739,108円です。

 

一方で…

3,100万円1.6%の金利込み総支払額は、

40,506,061円です。

 

金利1.6%の方が100万円多く借りている

のに、返済額は約120万円も安いんです!

 

本当ですよ!?

これが『金利』の力です!

 

だからこそ目を向けるべきは、建築費が

いくらではなく、金利を含む総支払金額

がいくらになるのかなのですね。

 

 

【光熱費が重要な理由とは?】

 

では、今度は金利が同じだったとします。

 

3,000万円金利2%、月々のローン金額は

99,378円です。

 

一方、建築予算100万円アップで…

3,100万円金利2%、月々のローン金額は

102,691円です。

 

月々の支払い金額の差は、3,313円です。

 

これだけを見ると、もちろん100万円安い

家の方が、支払い額は低いのですが…

 

もし、100万円オプションで月々支払う

『光熱費』が安くなるとしたら?

 

例えば、

・断熱性能を上げることで、夏の冷房費、

 冬の暖房費を削減することができる

・家の照明器具を全てLEDにすることで、

 月々の電気代を安くすることができる

・太陽光パネルを乗せることで、電力会社

 から電気を買う量を少なくなる

 

このような住宅設備を追加した結果、

月々の光熱費が10,000円安くなったら?

 

100万円高い家=月々のローン支払い額が

3,313円高い家でも、トータルすると

1,687円家にかかる総支払い金額が

安くなることになりますよね。

 

100万円、余計に多く支払った方が

後々、お得になることもある。

 

だからこそ、建築費がいくら?

ではなく、光熱費も含めて

「月々、いくら家にお金がかかるか?」

に目を向けなければならないのですね。

 

・・・・・・

 

このように、目先の金額だけではなく、

トータルでいくらかかるのかを考えるのは

家に限らず重要です。

 

車も同じですね、少し車の価格が高くても

ガソリン代が浮く燃費の良い車なら

トータルでお得になるかもしれません。

 

ただ、こと住宅購入は初めての経験です

から、このあたりに目が行きづらいのも

理解できます。

 

これは重要なことなので是非、覚えて

おいてほしいのですが…

 

今すぐ家づくりをしようとしていない方は

忘れてしまうかもしれないので、また

何度もこの話題には触れたいと思います。

 

新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。