From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口
すごい地震でしたね。
35年間、ほぼ札幌に住んでいますが
この規模で揺れたこと、そして市内の
交通機関や商業施設などのインフラが
機能しなかったのは初めてかと思います。
これを書いているのは9月7日、
地震発生から36時間後くらいです。
東日本大震災、熊本地震も本震が
最初の大きな地震の“翌々日”に来ている
ことを考えるとまだ気が抜けません。
厚真では大変な土砂崩れが発生し、
札幌でも清田区で液状化現象が起こるなど
大きな被害が既に出ていますが、
今後もさらに広範囲でそのような事態に
なる可能性もありますので、お互いに
気をつけて生活していきましょう。
せっかくリフォームしたばっかりの家を
失ってしまった方や、道内で数十名の方が
この地震によりお亡くなりになっています。
被害に遭われた方々には
心よりお見舞い申し上げます。
まさか札幌がこうなるとは
テレビの映像を見て衝撃を受けたのは
”液状化現象”の映像でした。
場所も知っており何度も車で通ったことの
ある道路、地面がグニャグニャになり、
建物が傾き隣の家に支えられている状態の
家もありましたね。
まさか札幌でこんなことになるとは・・・
この状態を見て思ったのは、
建物を地震に強い”耐震等級3”や
”制震構造”にしたとしても、
地面が動いてしまったら、
建物の性能がいくら高くとも
住み続けるのは難しいということです。
こういった時に備えてやはり家を買う時
には、建物構造の強化も大切ですが
「地震保険」への加入が必須なのでは
ないかと思うわけです。
地震保険は“保険らしい保険”
保険とはむやみやたらに入るものではなく
アクシデントが起きてしまった時に
”貯金ではどうすることもできないこと”
に対して加入する意味があります。
個人的な考えですが、日額給付10,000円の
医療保険に加入していなくても、
1週間~1か月程度の入院期間なら
310,000円~150,000円程度の保険金が
おりるかおりないかの差しかありません。
しかし、地震保険に未加入の場合で
今回のような地震で被害に遭ってしまうと
損失は数千万ということになります。
地震保険は建物の50%までの金額しか
加入できないため、加入をしていたと
しても再建築をすることは難しいのですが、
それでも当面の生活費保障という意味では
加入する意義が大きいと思います。
繰り返しますが、本来“保険”とは
保険でなければ解決することが難しい
問題にのみかけるべきだと思います。
そういった意味で地震保険は本来の
“保険”のあるべき本質をついた
商品であると私は考えています。
しかし加入率が低い
損害保険料率算出機構による2016年度の
地震保険の世帯別加入率の全国平均は
30.5%となっています。
北海道に限定すると23.4%、低い。
4分の1未満の家庭しか地震保険に
加入されていないことになります。
生命保険の世帯別加入率が約90%に対し
非常に加入率が低いのがわかります。
この理由としては、
差し迫った脅威がないからという
のもあると思います。
しかし、さらに大きな理由は
地震保険に加入するかどうかを考える
タイミングだと私は思っています。
火災保険と同じタイミングで検討する
地震保険ですが、その多くが
「家が完成する間際」になってから
検討するケースが非常に多いのです。
家を建てた人のほとんどが当初予算よりも
オーバーしてしまっており、そのため、
「土地と建物で予算をかけすぎたから、
少しでも他にかかるお金を削減したい」
家が完成する頃には、このような考えに
なってしまうのです。
そんな時、真っ先にターゲットになるのが
「地震保険」なんですよね。
地震保険の優先順位がものすごく低く、
また住宅の営業マンはお客様が地震保険に
加入しようがしまいが、
「正直、関係ない立場」にあるため、
最初の資金計画の段階からしっかりとした
予算組をしてくれていません。
地震保険に加入した方が良いのはわかって
いるけど、加入しない流れになってしまう
家庭は非常に多いと私は感じています。
こう考えるとやはり計画段階で必要な
費用をしっかりと確保しておくというのは
とても大切だと思います。
これからマイホーム計画を進める方には
今一度、地震保険と予算管理の大切さを
考えて頂ければ幸いです。
・・・・・・
まだまだ安心できる状況ではありません。
お互いに気を引き締めて生活をして
いきましょう。
最後に・・・
不謹慎な発言だと重々承知の上ですが、
私がこの地震を経験して思ったのは、
「この時期で良かった」ということです。
もし真夏で気温30度を超えるような
うだる暑さの日だったら・・・
もし真冬で気温がマイナスになるような
極寒の吹雪の日だったら・・・
そう考えると、防災の備蓄は食料や水分に
留まらず、防寒だったり手動の扇風機など、
考えておかなければなりませんね。
人は時間が経つとすぐに忘れてしまいます。
今回改めて気づかされた
『いつ来るかわからない事態への対策』
しっかりと取るようにしていきましょう。
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保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。