住宅ローン『借換え』5つの注意点

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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「金利が上がったら、金利の低い銀行へ

『借換え』をすればいいんですよ」

 

「今は金利が低いから、高い金利で

ローンを組んでいるなら『借換え』時です」

 

この住宅ローンの『借換え』という言葉、

ご存知でしょうか?

 

例えば、今、住宅ローンを借りている

A銀行から、金利の低いB銀行に。

 

または今よりも有利な条件になるC銀行に

住宅ローンを組み直すことをいいます。

 

今、金利3%で借りている人が、

別の銀行で金利2%の住宅ローンに

借換えをすると、

 

単純に『金利1%分』の返済が

減るということになります。

 

支出が減るので、ありがたいですよね。

 

また、将来の金利上昇が予測できない

変動金利でローンを組んでいる人が、

 

「心配だから金利が低いうちに、

全期間固定金利に借換えしよう!」

 

と金利は高くなるけど、あえて今後のこと

を考えて、借換えをすることもあります。

 

借換えをすることで、支払う住宅ローンの

利息総額を少なくすることができたり、

 

その時の生活にあわせた住宅ローンの

返済方法にすることができます。

 

この借換えという方法があることで

マイホームを購入する時、

 

今は支払いが少ない変動金利を選び、

後々タイミングを見計らって、

・固定金利に借換えしよう

・少しでも金利の低い銀行へ借換えしよう

と考える人が結構いらっしゃいます。

 

しかし、住宅ローンの『借換え』は

そんなに単純なことではなく、

注意すべきことがたくさんあります。

 

このことを理解していないまま、

「将来、借換えをすれば大丈夫!」と

思っている方は非常に危険です。

 

今回は、借換えに関する注意点を

5つに絞って教えたいと思います。

 

 

1.諸経費がかかる

 

金利が3%2%になるだけなら、

それだけで”お得確定”です。

 

それなら0.1%でも金利が低い銀行を

見つけたら、すぐに借換えをすれば

良いことになりますね。

 

しかし、借換えをする際には

色々とお金がかかります。

 

・銀行の事務手数料、保証料

・(元の銀行へ)繰り上げ返済手数料

・抵当権の抹消、再設定登記費用

・契約書に添付する収入印紙代

 

借換え先の銀行やローン額にもよりますが、

30万円~100万円程度かかると想定して

おくとよいでしょう。

 

目先の金利が安くなることだけで

借換えをしてしまうと実は損をしてしまう

可能性すらあります。

 

 

2.使えない金利プランがある

 

新築物件対象の住宅ローンと、

借換え用の住宅ローンが別れている

銀行があります。

 

銀行のHPをしっかり見てみると

ちゃんと「新築限定!」だったり、

「借換え専用住宅ローン」と

記載があったりします。

 

狙っていた住宅ローンが新築専用だった…

なんてことにならないようにしましょう。

 

そもそも今ある住宅ローン商品、金利が

そのままずっと継続して残っているだろうと

考えるのは甘いかもしれませんね。

 

 

3.審査が通らない

 

将来、借換えをしようと思った際の家計が

新築時と全く変わらない家庭は非常に稀です。

 

年収が増えていることもあれば、

逆に減っていることもありますよね。

 

新型コロナのような予想不可能な状況に

陥っているかもしれませんし、

転職している可能性もあります。

 

共働きで夫婦で収入を合算させて

住宅ローンを借りている場合、

奥様が「産休中」だったり、

仕事を辞めている可能性もあります。

 

さらに、車をローンで購入していたり、

カードの支払いが遅れてしまったなど、

信用情報に変化がある可能性も否めません。

 

借換え時に住宅ローン審査が通らない

なんてことも十分起こりえますね。

 

 

4.団信に加入できない

 

これは注意です。

 

借換えをする時にも新築時と同じように、

「団体信用生命保険」という保険に

加入しなければならないのが一般的です。

 

団体信用生命保険とは、ローンを借りて

いる人が死んだ場合など一定条件で、

ローンがチャラになる生命保険です。

 

年収や信用情報に全く問題がない人でも

団体信用生命保険の審査に通らなければ、

融資を受けることができません。

 

40代、50代になれば何かしら健康診断で

指摘事項が出てきますからね。

 

確実に将来、団体信用生命保険に

再加入できるとは言い切れません。

 

今から将来の為に健康に気をつかうこと

はできても、将来の健康状態を確実に

担保するのは難しいですね。

 

 

5.借換えしようと思えない

 

「金利の低い変動金利で借りておいて、

金利が上がったら固定金利に借換えしよう!」

と、考えている人がいます。

 

しかし実際のところ、これは難しいでしょう。

 

住宅ローンを選択する場面を

想像してみてください。

 

あなたは今、

A:0.7%の変動金利にするか?

B:1.6%の全期間固定金利にするか?

とても迷っています。

 

3,000万円を35年で金利が変わらない

前提で考えると毎月の支払いは、

A:変動金利 80,556

B:固定金利 93,331

 

月々の差額が13,000円も違うし、

93,000円も払うのは厳しいから…

 

「よし、変動金利を選択しよう!」

と、結論を出します。

 

しかし、徐々に金利は上がり

10年後には変動金利が1.2%

0.5%上がってしまったとしましょう。

 

この時に、

「金利が上がってきたから、

固定金利に借換えしよう!」

と、思えるかというと正直難しいですね。

 

なぜなら変動金利が上がるということは、

固定金利も上がるからです。

 

変動金利が0.5%上がったのと同じく、

固定金利も0.5%は上がっているでしょう。

 

変動金利1.2%に対し、固定金利の2.1%。

この金利に魅力を感じるでしょうか?

 

10年前、1.6%の固定金利を「高い!」

と思われたあなたが2.1%の固定金利へ

借換えをすることができるでしょうか?

 

きっと、

2.1%の金利がずっと続くことに

お得感を感じることができない…」

 

「また金利低くなるんじゃないか?」

といったような考えになってしまいます。

 

その為、変動→固定金利への借換えは、

なかなかしようと思えないのですね。

 

 

・・・・・・・・・

 

このように、住宅購入時から安易に

借換えを前提とした計画を立てていると、

将来借換えができず、とても厳しい状況へ

追い込まれる可能性が出てきます。

 

その為、借換えというものは、あくまで

「その時の状況に合わせて考えるもの」

として考え、初めから借換えを前提とした

計画は避けるべきなのです。

 

あなたが今、金利タイプを検討しており、

将来的に借換えを考えているなら注意する

ようにしてください。

 

 

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新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。