『金利が低い銀行』を使わない理由

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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『価格.com

というサイトを知っていますか?

 

主に家電の「価格」を比較する

インターネットのページです。

 

家電以外にも、

・クレジットカード

・保険

・車、中古車

などなど、様々なものの価格を比較する

ことができ、とても便利ですね。

 

最近はこのような、「金額比較サイト」が

多くなり、僕も何か購入しようとする時に

活用させてもらっています。

 

とても便利な世の中ですよね。

 

そんな中、実は「住宅ローン」についても

金利の比較サイトがあるんですね。

 

比較サイト以外にも、それぞれの銀行の

ホームページを見れば、住宅ローンの金利

や借入条件などが掲載されており、誰でも

簡単に情報を手に入れることができます。

 

僕の事務所に相談に来られる方の中にも

「良く勉強されているなぁ!」

と、感じるほど色々な銀行の金利を把握

されている方もいます。

 

先日もあるお客様が、

「○○銀行の変動金利が一番低いので、

そこで借りるのは決めています」

と、既に銀行は決めているとの事でした。

 

すごく計画性のある方だな!

と感心するのですが、実は、住宅ローンを

借りる銀行を選ぶうえで、ある『落とし穴』

に気を付けなければなりません。

 

「もうバッチリ下調べできてます!」

と自信満々なお客様に対して、僕はその

『落とし穴』のことを、申し訳なさそうに、

かつ、気まずそうに伝えました・・・

 

「もしかしたら、その銀行、使えないかも

しれませんが大丈夫ですか!?」

 

 

【使える銀行、使えない銀行がある】

 

「え?そうなんですか?」

 

これがお客様の第一声でした。

 

「そんなことは知らず、ただ金利が低いし、

仮審査も通ったので、その銀行でお願い

できるものだとばかり思っていました。

計画が狂っちゃったな・・・」

 

使えると思っていた銀行が使えなくなり、

テンションが一気に下がっていました。

 

実は、住宅ローンと一括りに言っても、

「何を買うか?」

「どこから買うか?」

によって使える銀行と使えない銀行が

あるのです。

 

この方は「どこの銀行が金利が低いか?」は

しっかり調べていたのですが、このことに

ついては知らなかったのですね。

 

では、使える銀行、使えない銀行について、

具体的に説明していきましょう。

 

 

【何を買うか?によって、使えない理由】

 

結論から言うと、基本的に注意すべきは

「注文住宅」のみです。

 

理由は、

「土地購入代金」と「建物代金」の2回に

わけてローンを組む必要があるからです。

 

注文住宅を建てる場合、多くの方が土地を

所有していません。

 

土地がないと家を建てられませんから、

まず土地を探し、買わなければなりません。

 

気に入った土地があったら、契約をし、

売主さんに土地の代金を払わないと

いけないのですが、

 

ここで住宅ローンを使う場合、

銀行と1回目のローン契約をします。

 

さらに、その土地に建物を建てて完成した

とき、銀行と2回目のローン契約をします。

 

つまり、土地から探して注文住宅を建てる

場合、合計2回、銀行とローンを組む契約

をするのですが、これができない銀行が

あるんですね。

 

「うちの銀行は1回しか契約できません」

 

どれだけ金利が低くても、いつも使って

いる便利な銀行であっても、NGです。

 

ちなみに注文住宅でも、

 

土地を既に所有している(建替えなど)や、

土地を現金で購入し、家の代金だけ住宅

ローンを組む場合は1回なのでOKです。

 

さらに、

 

マンション、建売住宅、中古物件などは

支払いが「購入時の1回」だけですから、

基本的にどこの銀行でもOKです。

 

ただ、最近流行りの中古住宅を購入して、

リフォーム、リノベーションをする場合も

支払いが2回になる為、注意が必要です。

※中古物件を買う時が1回目、リフォーム、

リノベーション代を払うときが2回目

 

 

【どこで建てるか?で使えない理由】

 

例えば、2,000万円の家をあなたが建てる

としましょう。

 

その2,000万円、どのタイミングで支払う

ことになるかご存知ですか?

 

工事が始まる時?それとも、完成した時?

 

実は、この支払いのタイミングが建築業者

によって異なります。

 

大きく分けると、

・家が完成したときに全部まとめて払って

くださいという『一括パターン』

・着工時30%、中間時40%、完成時30%

という『分割パターン』

この2パターンに分けることができます。

 

この支払いパターンに対しても、

 

「うちの銀行では、完成した時に

一括パターンしかやっていません」

 

という銀行があります。

いわゆる「つなぎ融資」というものを

やっていない銀行です。

 

この着工時、中間時のお金を払う為に住宅

ローンを借りるには、「つなぎ融資」という

ものを活用する必要があるのですが…

 

その制度がない!

 

この場合、あなたが

「この会社で家を建てたい!」

「この銀行がいい!」

と思っても建築業者と銀行の相性が悪い為、

その銀行は使えないのですね。

 

・・・・・・

 

このように、金利が低いのが有名で

「この銀行からお金を借りよう!」

と思っていたのに、実は使えなかった

というのはよく聞く話です。

 

同じような金利の銀行が他にあれば良いの

ですが、実際に使える銀行は限られた銀行

で、想定していたよりも金利が高くなって

しまった…

 

なんてことにならないように、ご自身で

調べられるなら、このあたりにも注意して

確認するようにしてくださいね。

 

新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。