高断熱性能住宅で元は取れるのか??

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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あなたは最近、「マジかー!」と、

思わず言葉に出してしまったことは

ありませんか??

 

当たると思ってなかった懸賞品が当たって

「マジかー!(ラッキー)」

 

結婚と無縁と思っていた友人が婚約して

「マジかぁぁー!(私は独身、さみしい)」

 

「最近、老けたね?」と言われ、

「マジかぁぁっっー!(落ち込む)」

 

上記は全部私の「マジか!」です。

 

日常茶飯事に使っている言葉ですから

色んなところで無意識に使っていると

思うのですが・・・

 

最近、国に対しマジかよって思ったことが

ありましたので、今日はその話です。

 

 

2020年省エネ義務化、見送り・・・

 

「住宅省エネ化はコストパフォーマンスが

悪く、施主には強制できない・・・」

 

2020年から住宅の省エネ高性能化が

国により義務化されるはずだったのですが、

 

結論から言うと・・・

見送られることが決定的になりました。

理由はたくさんあるみたいですね。

 

■建築主に効率の低い投資を強制させる

 ことになってしまう

■今、実行すると市場の混乱を引き起こす

(消費税の増税と重なるし)

■省エネ基準などに習熟していない業者がたくさんいる

■申請者、審査者ともに体制が整わない

■住み方でエネルギー消費量は変わる

■デザインに制限がかかりデザイン重視の

 建築家がやりにくい

 

などなど・・・

 

なんなんだ、その理由は?

っていうのもいくつかありますが、

 

結論、経済に重要な影響を与える個人の

住宅購入において、省エネ義務化により

住宅購入コストが上がってしまうと、

 

家を買おうという購買意欲が落ちて、

結果的に経済に悪影響を及ぼしてしまう…

 

省エネはもちろん大事なんだけれども、

経済も大事だよね?ってことで、

損得勘定をした結果がこの結果です。

 

高性能住宅を猛プッシュしていた工務店、

業界関係者さん、そして私も「マジか!」

と、なってしまったわけです。

 

2020年には義務化されるんだから、

今のうちからそれに適合している家を

建てるべきですよー!」

 

って散々言って来ましたからね。

 

 

光熱費だけで元は取れない?

 

よく聞かれることですが、

「断熱性能上げると光熱費で元は取れる?」

という質問があります。

 

これは、

・どのくらいの費用をかけて、

・どのくらいの性能の家を作れるか?

によっても回答が変わるのですが、

 

・ボイラーの性能は同じ

・間取り、広さは同じという条件で

 

・建売住宅を激安で買う

・注文住宅で高断熱性能の家を建てる

 

以上を比較すると正直、光熱費だけで

元を取るのはかなり厳しいと思います。

 

例えば、両者において500万円程度の

初期取得コストの差があったとします。

 

性能による年間光熱費の差は、

酷暑と極寒期に顕著になりますが

年間10万円~15万円程度と言われており、

 

10万円なら・・・

20年住んでようやく200万円、

30年住んで300万円。

 

15万円でも・・・

20年住んでようやく300万円、

30年住んで450万円という世界です。

 

住宅会社の営業マンに聞いたとしても、

正解は出ないでしょう。

 

低コスト住宅を売りたい人は、

初期コストの安さを強調するし、

 

高性能住宅を売りたい人は、

長期の光熱費の安さを押してきます。

 

この2社はお互い提供したい商品が異なり、

そのため相手を批判し、敵対しています。

 

住宅購入専門のFPとしては、

「初期コストをかけても長く見ればお得!」

言い切りたいところですが、実は微妙で、

 

実際は中立な視点で見ると、

初期コストが抑えられた家だと、

その分、ローンの利息も減る効果もあり、

 

光熱費だけで元を取るのは、

なかなか難しいというのが実情です。

 

このような考えから、国も妥協して

省エネ義務化に踏切れなかったのでしょう。

 

 

お金だけではない付加価値の差!

 

ここまでの話だと性能を上げることなく、

できるだけ安い家を購入しましょうという

流れに感じてしまうかもしれませんが、

そんなことはありません。

 

たしかに光熱費含めたトータル費用を

考えた時には、ローコスト住宅の方に

優位性があるのかもしれませんが、

 

お金がどうこうという問題ではなく、

高断熱住宅は年中、快適に住むことが

できる可能性が高くなります。

 

いわゆる夏涼しく、冬温かい家です。

 

暖房をつければ家の中は暖かくなりますが、

その分乾燥もしやすくなり、家にも人にも

良い環境ではありません。

 

窓の近く、壁の近くではなんとなく

“ひんやり”した感覚を感じやすく、

つけた暖房もすぐに家の外に逃げやすい為、

 

四六時中、暖房をガンガンつけていないと

いけないという状況です。

 

それでも初期費用と光熱費を比較すると

初期費用重視の方が良いのかも?

ということではあります。

 

結論は、初めにお金をかけて高性能住宅に

しても同じ条件の普通の家と比較して、

光熱費で元は取るのはなかなか難しいが、

 

長い目で見れば収支はトントンに近づき、

住んでいる間は常に快適でいられる。

 

こんな感じでしょうか?

 

トヨタの車で例えると、

カローラとプリウスではプリウスの方が

はるかに低燃費ですが、

 

初期コストがカローラの方が安いため、

ガソリン代込のトータルコストでは

カローラが優秀というのは有名な話です。

 

ただマイホームは基本的に1回きりの

買い物ですから、ここをどう考えるかが

問題なのでしょう。

 

しっかりとした知識をつけ、

自分たちがどのような家、暮らしを

求めているのか?を考えて、

焦らずに計画を立てていくこと。

 

このことがとても重要なのです。

 

 

ps

 

今回は断熱性能のみを対象として比較した

場合のケースです。

 

熱源やボイラーの性能は加味していません。

 

このあたりも含めた仕様設備の選定も

非常に重要ですので気をつけてくださいね。

 

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新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。