From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口
「住宅ローン 金利 ランキング」
こんな感じでネットに入力すれば、
たくさんの比較サイトが表示される。
便利な時代ですね。
金利が低い銀行のランキングですが、
店舗を持たない「ネット銀行」が
上位を独占しています。
店舗家賃や、人員スタッフにかける
固定費を削減した結果、低い金利で
貸付けすることができるネット銀行が
全国的に人気のようですね。
しかし、私が住宅ローンの個別相談を
お受けした際には、ネット銀行を
オススメする機会は、実は少ないです。
誤解を生まないようにしたいのですが、
ネット銀行が「絶対NG」というわけでは
もちろんありません。
色々と条件を検討していく中で、最終的に
ネット銀行にならないことが多いのです。
金利が低く、一見メリットがありそうな
ネット銀行の住宅ローンを使わない理由。
もし、あなたがネット銀行の住宅ローンを
検討されているなら、以下の点に注意して
選ばれるのが良いと思いますよ。
見出し
そもそも使える?
あなたが買おうとしているマイホームが、
「新築の建売住宅」
「新築マンション」
であれば、基本的にどこのネット銀行でも
ローンを組める可能性があります。
しかし「注文住宅」だけは、話が別です。
建売住宅やマンションについては、
基本的にローンを使って支払いをする
タイミングは1回のみとなります。
売買契約をする際に、契約金として
数十万円~数百万円を現金で支払いますが、
残りのお金は物件の引渡しを受ける際に
住宅ローンで一括払いというパターンです。
しかし、注文住宅を建てようとすると
・土地を買うなら購入する代金
・着工時に建物の30%
・工事の中間時に40%
・完成時に残りの残金
このように数回、多額のお金を支払う
タイミングが発生する場合があります。
これは、住宅会社さんによって支払いの
タイミングや金額が決まっているので
一律ではありませんが、
もし上記のように何回も支払いがあるなら
その都度、住宅ローンを借りて支払うなど、
支払方法を考える必要があります。
※これを「つなぎ融資」といいます
結論ですが、
「何回かに分けてお金を貸してくれる」
(※つなぎ融資ができる)
ネット銀行が少ないのが実情です。
「本当は○○銀行でローンを借りたいのに、
土地を買う時に、土地代金だけをいったん
借りることができない・・・」
こんな感じです。
この銀行を使いたいのに、実は使えない。
ネット銀行では、よくあることです。
※貯金がたくさんあり、土地購入資金や
建設中間資金の支払いに充てられるなら、
その銀行でローンを組むことも可能です。
審査が厳しめ
よく言われることですが、
地方銀行や信用金庫などと比べて、
ネット銀行は審査が“厳しめ”です。
正確にいえば、
「最も有利な条件で住宅ローンを借りる
審査に合格するのは、なかなか厳しい」
という言い方が適しているかもしれません。
ネット銀行のHPを見てみると、
「うちの銀行は金利〇%です!」
と超低い金利が大きく書かれていますが、
実は、全員一律の金利ということではなく、
審査によって金利が変わるパターンの
銀行があります。
例えば、
A.最も有利な条件なら→金利0.4%
B.審査の結果次第では→金利0.8%
みたいなことです。
Bの審査に合格するのは割と簡単だが、
Aの審査に合格するには年収が高かったり、
自己資金をたくさん入れないと合格しない、
みたいな感じです。
結果として、
「Aの金利で借りられると思っていたのに、
実は自分の年収や自己資金であればBの
条件でないと借りることができない…」
このようになってしまう人もいるのです。
実際に自分がそのネット銀行で借りるなら
金利は何%が適用になるのかは審査して
みないとわかりません。
もし検討したい銀行があるなら、
ある程度、時間的なゆとりをもって
審査を進めておくようにしましょう。
莫大な初期費用がかかる
住宅ローンを借りるにあたり、契約時に
かかる“手数料”のようなお金があります。
事務手数料、保証料という名目のもので
これは銀行ごとに金額が違います。
北海道民なら馴染みのある北洋銀行や
北海道銀行は基本的にこの事務手数料、
保証料の合計が3~5万円程度です。
しかし、ネット銀行やメガバンク系は
借入金額の2.2%(税込)がかかるのが
一般的です。
4,000万円ローンを組むなら88万円。
10,000万円ローンを組むなら110万円です。
これ、かなり大きな負担です。
結論、目先の金利だけで銀行を決めると
総支払金額が多くなるかもしれません。
A.金利は0.6%、初期費用2.2%の銀行。
B.金利は0.7%、初期費用5万円の銀行。
35年間払いで仮に金利が変わらなければ、
金利は高いが初期費用が少ないB銀行が
総支払金額は少なくなるでしょう。
団体信用生命保険が死亡のみ
ネット銀行のHPに記載してある金利には
「死亡・高度障害」時にのみ適用となる
団体信用生命保険だけ付帯されています。
auじぶん銀行や住信SBIネット銀行は
“がん保障50%団信”や“全疾病団信”が
無料で付帯されると記載がありますが、
その内容もしっかりと確認しなければ、
実は想定していた内容ではない可能性も
あります。※詳細説明は割愛します
私は、この「死亡、高度障害」の団信が
ダメだと言っているわけではありません。
あなたがガンになった時にもローンが
チャラになってほしいなと思うなら、
「ガン保障付き」の団信が良いですし、
「ガンになっても、ガンは治る病気だし、
治らなかったら死ぬんだから、結局は
死亡団信だけでいいんじゃない?」
という考えなら、それで良いでしょう。
どちらが絶対ということではなく、
HP記載の金利には手厚い団信の保障が
含まれない可能性があるということ。
あなたが必要だと思う保障を加える場合、
0.2%前後の金利が上乗せされてしまう
ことを知っておいてほしいのです。
囲い込まれて損をする
最近は、「銀行が本業ではない会社」の
住宅ローン参入が多くなってきました。
わかりやすいのは
「楽天銀行」→楽天
「auじぶん銀行」→au
このあたりです。
ネット銀行ではありませんが、
「イオン銀行」なんかも同様です。
とはいえ、現在の低金利では
銀行業は全然もうかりません。
では何故、銀行業をしているかといえば、
「自社の経済圏にお客様を囲い込みたい」
からです。
楽天銀行なら、楽天で買い物をたくさん
してほしいですし、
auじぶん銀行なら、携帯電話は当然auで、
電気なんかもau電気にしてほしい。
イオン銀行で住宅ローンを借りた人は
一定期間、一定額までは、毎日買い物が
「5%OFF!」になる特典がついてきます。
ローンの金利では全然儲からないけど、
イオンでたくさん買い物をしてもらえれば、
儲けられる!と考えているんですね。
ここで私が言いたいことは、
「囲い込まれた結果、無駄な浪費が増えた」
「違う経済圏で買い物をした方が得だった」
こうなってしまうと、巡り巡って損をして
しまう可能性があります、ということです。
「イオンで5%オフで買うより、
西友で通常価格で買った方が得だった」
わかりやすくいえば、こういうことです。
住宅ローンを借りることで、
・ポイントアップ
・携帯料金の基本料金の引下げ
このような、その経済圏での恩恵を
受けやすくなりますが、
知らずしらずに、損をしてしまうような
経済圏に引き込まれないように注意です。
・・・・・・
ネット銀行にはメリットもあれば、
デメリットや注意点も多々あります。
これらをしっかりと理解した上で、
最良の住宅ローンを選ぶことができれば、
将来、残るお金を増やすことができると
思いますよ。
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保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。