新型コロナウイルス、住宅業界への影響は?

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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ニュースやワイドショーは本当に

『新型コロナウイルス』一色ですね。

 

実際、新型コロナ以上に大切なニュースも

今のところありませんし…。

 

沢●エリカ、槇●敬之が薬物で捕まった件、

東●昌大、鈴●杏樹の不倫騒動の件など、

 

われわれの生活にはまったく関係のない、

どうでもいいゴシップ、スキャンダルは

「今はそれどころじゃない!」

とかき消された感じです。

 

早く収束につながる良い情報が出てくれば

いいのですが、出口が見えない感じですね。

 

オリンピックも正式に延期が決定しました。

 

さて、先日受け付けしました質問で

新型コロナウイルスによって、

 

「住宅業界にどんな影響が出てくるのか?」

 

についての質問も複数ありましたので、

こちらについてお話ししたいと思います。

 

 

トイレがない…

 

直近で問題になっているのがコレです、

ここ数日でニュースにもなっていました。

 

2月上旬まで発注しているものについては

納品が見込めているらしいのですが、

それ以降のものは見通しが立っていません。

 

トイレは家が完成するほぼ最後の工程で

設置するもので「風呂」「キッチン」よりも

発注のタイミングが遅い傾向があります。

 

そのため、トイレだけがない状態の家が

できてしまっているのです。

 

「トイレがない家」はできているが、

実質ここには住むことはできないので

お客様に引渡しすることができません。

 

子どもの進学に合わせて3月中に完成を

予定していたのに、引渡しが遅れてしまい、

引っ越しができない家もあるみたいですよ。

 

 

そしてトイレ倒産…

 

家を建てた人もトイレがないため引越しが

できず、損害をうけてしまうかもしれない

状況ではありますが、工務店も大変です。

 

なぜなら、

 

トイレがないだけでほぼ完成しているのに、

お客様からの最終残金が支払われないため、

会社の資金がショートしてしまう可能性が

あるからです。

 

多くの会社の場合、工事を完成させた時に

お客様から支払われる最終支払いを使って

材料費や下請け業者への支払いをします。

 

この最終支払いが予定通り入ってこない…

 

トイレがないことで家が100%完成できず、

最終支払いが入ってこない状況の中、

 

材料費や下請け業者への支払いはしないと

いけないという板挟みとなっているのです。

 

運転資金が尽き、いわゆる「黒字倒産」

となる可能性もゼロではありません。

 

どのような結末になってしまうのでしょう。

 

この『トイレ倒産』も危険ですが、

コロナショックによる経済不安により

お客様の購買意欲がさらに落ちてしまい、

 

家が売れなくなり、経営が厳しくなる

工務店やハウスメーカーも今後、

続々出てくるでしょう。

 

 

これから家を建てる人への影響

 

これから家を建てたいと考えている人は、

現時点で『完成時期』が見えません。

 

マイホームを建てるにあたっては、

多くの部材を輸入品に頼っている状況で、

これらの納期がいつになるのかが

現時点でまったく見えていません。

 

もし供給が再開されたとしても、

既に建築の契約をしている人も資材を

待っている状態だったりするので、

 

これから計画スタートとなる人については

さらに時間がかかるかもしれませんね。

 

「子どもの小学校入学までには…」

「社宅を出ないといけなくなるまでには…」

みたいな人もいると思いますが、

 

思い通りのスケジュールで進めていくのは

なかなか難しいかもしれません。

 

余裕を持って計画を進めた方が良いですね。

 

 

それ以外の影響

 

まだ現実で起きていないが、可能性として

これから起こり得る影響を推測してみます。

 

まず、

『建築資材が高くなる』

可能性があります。

 

理由は色々ありますが、

 

需要と供給のバランスが崩れてしまい、

結果的に資材が高騰するパターン。

 

輸入品に頼っていたが輸入の制限により、

国内産などの高い商品で代用しないと

いけなくなってしまうパターン。

 

為替が乱高下していますが、

『円安』になった場合に高騰するパターン。

 

私が住宅営業マンだった時代、

円安になったタイミングで

「円安なので、スミマセン・・・」

という感じでメーカーから値上げする旨、

通達がきていたことがありました。

 

その後、円高になっても

価格を元に戻さないくせに・・・。

 

そしてこれらに乗じて『便乗値上げ』を

してくるパターンもあります。

 

建築資材が高騰するということは、

『家の値段が上がる』ということで、

これから買う人には影響が出てきます。

 

「景気が悪くなり、家が売れなくなれば、

工務店が『安売り』するようになるのでは?」

 

という意見もあるかもしれませんが、

それはごく一部の『売れない会社』だけで、

 

人気の工務店は、おそらく上がるだろうと

個人的には思っています。

 

 

政策について

 

消費税減税もささやかれていますが、

このあたりは現状、全て未確定です。

 

期待をしている人もいるかもしれません。

 

しかし、仮に消費税減税があったとしても

住宅業界は消費税減税の恩恵を受けれない

と個人的には予想しています。

 

もし消費税が減税されたとしても、

住宅ローン減税が併用できないとか、

トータルではあまり旨味がない制度に

なりそうだなと思っています。

 

住宅ローン減税はかなり税金の優遇が

受けられる制度になっていますし、

 

その他にもすまい給付金や、

各種補助金制度などもありますからね。

 

「もしかしたら消費税減税されるかも…

だから、今家を買うのは辞めておこう!」

は現実的ではないのかなと思います、

“個人的には”ですよ。

 

 

銀行の金利は?

 

銀行の金利についていえば、

今、この状態で金利を上げることは

なかなか難しいでしょう。

 

景気が後退期に向かっていくだろう中、

銀行が金利を高くしてしまうと、

 

「家なんて買っている場合ではない!」

という消費者心理が働いてしまいますので、

現状維持、もしかすると引き下げなんて

こともあるかもしれませんね。

 

ただ、仮に引き下げがあったとしても、

早くても半年~1年後くらいでしょう。

 

今、既に住宅ローンは“底の底”ですから、

“様子を見守る”の期間があると思います。

 

 

ローン返済ができない人が続出

 

既にマイホームを購入した人たちへの

影響としては、やはりコレですね。

 

派遣切り、パートタイマーの時間短縮、

こんな話も出てきています。

 

ボーナスの減額は当然として、

ボーナスがゼロになってしまう企業も…

 

そしてこの先には人員削減、いわゆる、

リストラや会社自体が倒産するケースが

たくさん出てくるでしょう。

 

全体的に収入が減少する傾向が続く中、

住宅ローンの返済は待ってくれませんから、

 

返済ができなくなり、家を手放さないと

いけなくなる家庭が全国的に続出すると

思っています。

 

もちろん、ある程度貯蓄ができていれば

その貯蓄を一定期間切り崩すことで

耐えしのぐことも可能なのですが、

 

マイホームを購入してからローンの負担が

大きすぎて、ろくに貯金ができていない

家庭も実はたくさんあるのです。

 

今回の新型コロナウイルスを

事前に予見することは不可能に近く、

「どうすることもできないもの」

だったと思いますが、

 

そんな危機的状況がいつ来たとしても、

一定期間は“耐える”ことができるよう、

ある程度貯金はしておきたいものです。

 

理想をいえば、1年~2年分くらい、

無収入でも生活が成り立つくらいは…。

 

こらから家を買う人は、家を買った後も

予測不可能な事態になっても耐えられる

家計を築けるように、慎重に計画を

進めてほしいと思います。

 

 

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新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。