From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口
突然ですが・・・
あなたは「鞄(かばん)」を買う時、
どのような基準で選びますか?
※昔から憧れていたブランドのバッグを
買いたい場合は、どういう選び方とか
そういう問題ではないと思いますが…
多くの場合は、
・使い方や使用用途
・何故その鞄を買う必要があるのか?
によって選び方を変えるのではと思います。
例えば、この前、私が鞄を買う時に
考えた選定基準は、
・基本的にはできるだけ小さな鞄にしたい
→鞄自体が重くない、持ち運び便利なもの
・自分が使っているパソコンが入る大きさ
→ただ入ればOKではなく、出し入れが
しやすいポケットが付いている
・利用目的は一泊二日の出張のため。
→1日分の着替えをしまうことができる
こんな感じです。
何も考えずに大きなサイズの鞄を買えば
ある程度何でも入れることはできますが、
・重くなる
・価格も高い(同デザインのものと比べ)
・邪魔になる
・見た目もダサい(ものによる)
などのデメリットもありますからね。
いろいろ選択肢がある中で最終的に
ひとつ選んだわけですが、決めた理由は、
シンプルに前述の目的を一番叶えることが
できる鞄だと思ったからです。
できるだけ小さなカバンで、
パソコンの出し入れがしやすく、
着替え(下着程度)もしっかり入る。
そしてダサくない、価格も予算内!
個人的にとても満足行く買い物が
できたと思っています。
見出し
何の話だよ?
家と全く関係ない話に聞こえますよね。
フフフ、そんなことないんですよ。
このカバンの話には、注文住宅を
『割安』で『満足度の高い間取りにする』
エッセンスが凝縮されています。
この話をしたかったがために、カバンを
買ったと言っても過言ではありません。
それは嘘です。
しかし、最後まで読んでもらえれば、
「なるほどね」
となってもらえるでしょう。
大きな家は価格が高い
近年、住宅の価格が高くなっています。
コンクリートや木材などの資材はもちろん、
職人不足による人件費も高くなっています。
また、住宅の基本性能が一昔前と比べても
かなり高くなっていることもあり、
断熱材を追加したり、その断熱の施工費も
上乗せされていることも理由です。
そこに消費税が2%増税されたのですから
建物全体としては10年前と比べ、
1割~2割増になったような感じです。
10年前まで36坪の家が税込2,200万円で
建てられていたのに、
今だと同じ大きさであれば、最低でも
税込2,400~500万円はかかるイメージ。
その為、総予算を抑えるには
A:土地の価格が安いところを選ぶ
B:建物の大きさを小さくする
この2つが大きな選択肢となります。
ただ、札幌近郊は土地も高くなっている為、
Aの選択肢は現実的ではありません。
※札幌の土地が高いという理由で、
江別や恵庭、北広島の土地を検討する人も
増えていますので、札幌近郊エリア全体が
高騰しています。
となると、現実的な解決策としては、
Bの建物を小さくする選択肢になります。
リビングは〇〇帖は欲しい
「リビングは最低でも10帖欲しいです」
「寝室は6帖では小さくて、
できれば8帖欲しいんですよね」
間取りの打合せをしていると、
往々にしてこのような話になります。
「この部分はもう少し狭くても良い」
という話よりも
「ココを広く(大きく)したい!」
という要望の方がはるかに多いです。
仮に、要望通りに家を建てていくと
家は小さくならず、むしろどんどん
大きな家になっていきます。
建主さんに
「なぜ、その大きさが必要なのか?」
を聞いてみると
・実家のリビングが10帖で狭く感じる
・今の賃貸マンションの寝室が6帖で狭い
こんな感じの理由がほとんどです。
自分の中にある基準との『対比』ですね。
比較検討というのはわかりやすいですし、
基準をつくるというのは良いことです。
しかし、その空間の広さを決める上で
この決め方は、実は正しくありません。
部屋の広さを決める上で大切なのは、
そこで何がしたいのか?
コレがとても重要です。
例えば、あなたが
「子ども部屋を4.5帖から6帖にしたい」
と思ったとしましょう。
何故かといえば、
「シングルベッドを1つ置いて、
学習机がおけるスペースがほしいから」
と、いうのが理由だったとします。
この場合、大切なのは
「6帖にすること」ではなく、
「シングルベッドと学習机が置けること」
になりますよね?
逆の言い方をすれば、
「6帖にしたところで、置きたいベッドと
学習机がおけない6帖だったら意味がない」
とも言えます。
6帖と言っても形はマチマチですし、
ベッドや学習机のサイズもマチマチです。
間取りを決める上でとても大切なのは、
「その部屋の大きさではなく」、
「そこで何がしたいのか?」であり、
それを叶えることができる間取りなのか?
が大切なのです。
鞄と住宅価格高騰の話を合わせる
前述した通りですが、
「できるだけコストを抑えつつ、
満足の行く間取りの家を建てたい!」
こう考えるなら、できるだけ家の大きさは
小さくしていくべきなんですね。
しかし、家を小さくした結果、
その空間であなたが叶えたかったことが
できなければ、とても後悔する残念な
家づくりになってしまいます。
私が買ったカバンも小さいはいいが、
パソコンも着替えも入らないでは
全く意味がないのと同じです。
私がカバンを買う際に、
「できるだけ小さいなサイズにしたい」
と考え、
「そのカバンが欲しい理由は〇〇」
という明確な基準を決めておいたように、
それが必要な明確な理由、
「つまりそこで何がしたいのか?」
「どんな家具を入れたいのか?」
を考えれば、
空間を小さくしたことによる失敗を
極力防ぐことができます。
「10帖でなく8帖でも欲しいソファーが入る」
「6帖ではなく、4.5帖で十分だった!」
とわかれば、
面積を『無駄使い』せずに、
必要なところに必要な面積を充てることが
できるようになります。
小さな家だったとしても、
各各の空間において満足のいく広さを
確保することができるようになるでしょう。
結果的に、無駄に大きな家を建てずに、
予算を抑えることができる、または、
設備などの違う部分に予算を充てられます。
人生最大の買い物である家ですが、
実は人が住むための
「箱(ハコ)」
「器(うつわ)」
と表現することもできます。
そこに何を入れるのか?仕舞うのか?
『とりあえず大きいもの!』と選ばずに、
しっかり入れるものを考えてみてください。
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保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。