【要注意】今後住宅ローンを払えない、返せない人が増える理由

「家は3回建てないと、本当に満足する家はできない」

このような言葉を聞いたことがあるでしょうか?

注文住宅の場合、建てた後に「ここをこうすれば良かった…」と後悔することが多いため、このような表現をされることがあります。

普通、3回も家を建てるのは難しいので、できれば1回目で100点満点の家を建てたいところです。

しかし・・・

現実は後悔だらけ

私は今までで1,000組以上の家づくりに関わってきましたが、皆さん後悔ポイントはあるものです。

例えば、

  • ここに収納があればよかった
  • リビングが思ったより狭かった(広すぎた)
  • ドアの開き方が逆の方がよかった
  • 床をもう少し明るい色にすればよかった
  • ここにコンセントあればよかった

あげればキリがありません、なかなか難しいものですね。

とはいえ、この程度なら「まぁ仕方ないよね」で済ませることもできるでしょう。

「後悔した、失敗した」とはいえ、致命傷ではなく、我慢できるレベルです。

では、マイホームを購入する上で致命傷となる失敗とは、どのようなものでしょう。

お金の失敗は致命傷

やはり「お金の失敗」は致命的です。

逆を言えば「お金のことさえ失敗しなければ、他のことは致命傷にはならない」とも言えます。

お金さえかければ、コンセントも増やせますし、ドアも逆開きのものに交換できます。

しかし、自分たちの身の丈に合わない多額の住宅ローンを借りてしまい、

  • 生活水準を落とさないといけなくなった
  • 老後の貯金ができず、不安が絶えない
  • 子供を大学に行かせてあげられない(奨学金を使ってもらう)
  • パートの回数を増やさないといけない
  • 残業や休日出勤が増え、自由な時間がなくなる
  • 家族で一緒にいれる時間がなくなった

このような悩みを抱えている家族は、札幌にもたくさんいるのです。

原因は「お金」にあるわけで、マイホームは買い方次第で、人生を大きく左右させます。

最悪の場合、住宅ローンの支払いができず、家を手放さなければならなくなってしまう家庭もあります。

手放すだけでなく、手放した後も住宅ローンが残ってしまい、賃貸アパートの家賃を払いつつ、住宅ローンの返済をしているという人もいます。

このような住宅ローンを払えなくなる家庭が、これから確実に増えていきます。

残念ながらこれは確実です。

住宅ローンが返済できない割合

2021年の住宅金融支援機構の調べによると、100人のうち約3人(3.17%)は返済が滞っている状況だそうです。

また、何とか現時点では返済できているものの、住宅ローンがかなりの重荷になっている人々も多いでしょう。

しかし、本当に問題なのはこれからです。

実際に住宅ローンの返済ができなくなる家庭が、これから確実に増えていきます。

その理由は2つあります。

① 銀行がお金貸しすぎ

まず10~15年前と比べて、現在は銀行がお金を貸しすぎです。

「夢のマイホーム」と言われていた時代があったこと、ご存知でしょうか。

「夢」がつく理由は、憧れという意味もあります。

ただ本当の意味は、今ほど簡単に住宅ローンを借りることができず、まさに「夢」だったからです。

約15年前までは「優良な勤務先、高年収、数100万円以上の貯金」これらがないと、住宅ローンの審査が通りませんでした。

例えば3,000万円のマイホームなら、その1割の300万円は現金がないと、ローンが組めなかったのです。

融資額は総予算の9割までで、最低でも1割は現金が必要という銀行がほとんどでした。

それが7年~10年くらい前から頭金0円(貯金0円)でも、住宅ローンが組めるようになったのです。

いわゆる『フルローン』というものです。

さらにここ5年前後でオーバーローン、つまり「家具、家電、引越し費用」など土地建物以外の費用まで貸してくれるようになりました。

マイホームは、厳しい住宅ローン審査を通った極一部の人しか買えない『夢』だったのですが、今は世帯年収が400万円程あれば、誰でも買えるようになりました。

これを踏まえて話を戻します。

『銀行の審査が厳しかった時代に購入した人』の3%が、ローンを払えなくなってしまっています。

であれば、現在の『審査がゆるい状況で購入した人』は、それ以上に返済が厳しくなる可能性が高いと私は考えています。

15年前と比べて、確かに今は超低金利です。

金利が低い分、多くのローンを組んでも、利息負担は減っているでしょう。

しかし、低金利を理由にみんながマイホームを買えるだけの経済力があるかと言えば、それは違うのです。

晩婚化による購入タイミング

2つ目は、マイホームを購入する平均年齢が上がっていることです。

働き方や生き方の多様化による「晩婚化」が大きな理由ですね。

住宅ローンを35年で組む場合、契約時年齢が30歳であれば65歳でのローン完済が可能です。

65歳であれば再任用期間を含め、安定した収入がある状態での住宅ローン完済ができる見込みとなります。

しかし、購入時の年齢が35歳~40歳となると完済年齢が70歳~75歳となり、退職後に年金や貯蓄を原資として住宅ローンを支払う必要があります。

大きな金額の退職金が見込めたり、退職までに余裕のある資産を築けるライフプランであれば問題ありません。

しかし、自身の退職金を把握している人は極々少数です。

マイホーム購入前に、しっかりとライフプランを立ててから購入に踏み切る方は、本当にわずかな人しかいません。

最近では住宅価格が高騰していることもあり、住宅ローンを40年返済で計画している人も多く見受けられます。

こういった人は、多額のローン返済という問題を先送りしているだけのような気がします。

まとめ

・銀行がお金を貸しすぎている

・購入時の年齢が高く、退職後の返済がきびしい

その他にも、終身雇用の破綻や、度重なる物価上昇などが理由で、ローン返済が厳しくなる人は増えていくことが予想できます。

マイホームの最大のデメリットは、簡単に「買換え」や「引越し」ができないことです。

家賃の支払い(住宅ローン返済)が厳しく、安い家賃の家に引っ越ししようとしても容易に引っ越しできません。

マイホーム購入、最大の失敗はやはりお金に関することですから、失敗しないように慎重に進めていくことをオススメします。