保険でお金を貯めてはいけない3つの具体例

From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口

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さて、今日は生命保険についての話です。

 

これまでにも私の保険に対する考えを

何度か話したことがあるのですが、

 

本来、保険のあるべき姿というのは、

『保険でしか解決できないもの』

の為にあるはずなんですよね。

 

例えば、

 

■ご主人が亡くなってしまった時の為に

 20年分の収入を補填する収入保障保険

 

■2,000万円の家が全焼した時の為に

 かけておく火災保険

 

■ご家族がもし、他人から何千万円という

 損害賠償をされるような事故を起こして

 しまった時の為の個人賠償責任保険

 

これらのように、事故やアクシデントが

起こった時に多くのお金が必要になること

に対して、保険はとても有効です。

 

リスクは少ないものの『いざという時』に

“何千万円”というお金が必要になる場面

で保険に入っていなければ、

 

それこそ人生設計をガラッと変えないと

いけない状況に陥ることもありますからね。

 

なので保険は最低限必要なものですし、

必要経費として家計には計上しなければ

ならないものだと思います。

 

特に「掛け捨ての保険」は多くの人が

「無駄、もったいない」と思う傾向が

あるのですが、

 

私は小さな金額で大きな保障を買える

「掛け捨て」こそ必要な保険だと

思っています。

 

 

貯蓄型の保険が大好きな人たち

 

保険には様々な種類のものがありますが、

大きく分けて「掛け捨て」と「貯蓄型」に

分けることができます。

 

『掛け捨て』とはその名の通り、支払った

保険料が後々戻ってこない性質のもの。

 

一方で『貯蓄型』とは、

支払った保険料が支払期間など一定条件を

満たせば、解約した時に払った金額と同等、

それ以上になって戻ってくるものです。

 

学資保険や老後のお金を貯める為の

終身保険などが代表的なものですね。

 

多くの方が思っているイメージは

・掛け捨てはもったいない

・貯蓄型の方が無駄がない

こんな感じです。

 

もちろん、気持ちはわかりますし、

できるだけ無駄なお金は使いたくないと

思うのが普通ですよね。

 

その為、ものすごい金額の貯蓄型保険に

入られている家庭もあります。

 

ただ、

「保険で貯蓄をするのは賢い選択か?」

と聞かれれば、

 

私の答えとしては、

「良い場合もあれば、悪い場合もある」

になります。

 

「貯蓄型は損をしない!」

そう信じてやまない人たちには

申し訳ないのですが、やってはいけない

貯蓄型保険の加入例もあるのです。

 

と、いうことで

『保険を使って貯蓄してはダメな例』

これについてお話ししていきます。

 

 

すべての貯蓄を保険でしかしない

 

まず大前提として、保険で貯蓄をするなら

“余剰資金”でするようにしましょう。

 

普通預金で貯めていても利息がほとんど

付かないという理由から、保険で貯蓄を

しまくっている人を良く見かけます。

 

毎月、銀行へ貯金はできていない・・・。

でもたんまり保険料を払いまくっている。

 

こんな感じです。

 

これがなぜいけないのか?というと、

 

家計が厳しい状況の時などに解約すると、

払った金額の70%くらいしか戻って

こない可能性が高いからです。

 

一般的に保険でお金を貯める場合、

短く見ても10年は解約をせずに

保険料を払い続ける必要があります。

 

この期間内に解約をすれば「元本割れ」、

すなわち払ったお金よりも少なくなって

返ってきてしまう商品がほとんど。

 

20年、30年先の生活中に予期せぬ支出が

必要になることもあるでしょう。

 

車を購入したいが、保険以外の貯金がなく

無駄なカーローンの利息を払うことに

なってしまったなんてよくある話です。

 

こういう状況を見ると「もったいないなー」

って思うんですよね・・・。

 

柔軟に引き出しのできる普通預金をメイン、

余裕があれば保険で貯めるという考えを

持つことが大切だと私は思います。

 

外貨建て + 貯蓄の目的

 

外貨建て、つまり『海外の通貨』を使った

貯蓄型の保険が目立つようになっています。

 

アメリカドルやオーストラリアドルが

多いですね。

 

この外貨建て保険のメリットとして、

日本円よりも運用効果(増える見込み)が

高いことが挙げられます。

 

一方で最大のデメリットとして、

為替相場の影響をもろに受けることが

挙げられます。

 

契約時、為替が1ドル100円、

日本円にして10,000円(100ドル相当)を

支払ったとします。

 

しかし、解約時には1ドル80円だったと

すると、支払った100ドルが8,000円に

しかなりません。

※これが為替リスク(危険性)です。

 

その為、解約する時の為替相場が

とても重要になるのですが、

 

この解約したいタイミングで為替相場が

悪い状況だったとすると、解約したくても

解約できません。

 

または条件が悪いのを承知で

解約するしかなくなってしまいます。

 

具体的な例としては、

子どもの学費を貯める為に

外貨建ての保険を使ってしまうと、

 

大学進学のタイミングで相場が非常に悪く、

「解約できない=学費が用意できない」

という事態になってしまう…

 

こんな感じです、危険ですよね?

 

外貨建て保険が悪い訳ではありません。

 

学費目的に保険で貯蓄することが

悪い訳でもありません。

 

『貯蓄商品』と『貯蓄の目的』

の相性が悪いということですね。

 

 

これから家を買おうと思っているなら

 

家を購入した後、今までよりも生活費が

多くなる要素、可能性が多々あります。

 

近くのスーパーも変わります、

2台目の車を購入しないといけない、

ガソリン代も多くなるかもしれません。

 

子供が生まれたり、成長して食費や習い事

などにお金がかかる時期に突入します。

 

一般的には家も広くなりますから

光熱費も多くなる傾向にありますし、

固定資産税やメンテナンス費なども必要…

 

これらの支払いをしようとした時に

毎月多くの金額を支払う貯蓄型保険は

家計に相当な影響を及ぼします。

 

前述もしましたが、貯蓄型保険は想定外の

事態が起きた時に解約しようとしても

解約できない、とても損をすることが

多々あるものです。

 

家を買うというイベントを迎える前に

柔軟性のない貯蓄型保険でお金を貯める

のは、とても危険なのでオススメしません。

 

利息はほぼつきませんが、銀行の普通預金

に貯めておき、不測の事態に備えられる

準備金を用意しておきましょう。

 

一定の金額が貯まった時に住宅ローンの

繰り上げ返済をした方が保険で貯まる

利息よりメリットがありますしね。

 

 

・・・・・・

 

これ以外にも貯蓄型保険のデメリットは

色々とあります。

 

私、個人的には

『長期間保有し続けないといけないこと』

これが一番のデメリットだと考えています。

 

ただ、少し話が長くなってしまったので

これについてはまた改めてお話ししたいと

思います。

 

 

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新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。