From:新松尊英@札幌住まいのFP相談窓口
「私、保険に入りたいんですけど・・・」
ジムで知り合った29歳の独身女性から
保険に入りたいと相談を受けました。
ジム会員さんの中で私が保険屋さんと認識
されている為、相談してくれたみたいです。
正直、あまり保険を積極的に勧めることが
ないので保険屋ではないのですがFPです
って言っても「何それ?」ってなるので。
まぁ、それは置いておいて・・・
私:「なんで保険に入りたいんですか??」
彼女の答えは
「だって私、もう30歳手前だし・・・」
「入院とかしたら大変じゃないですか??」
こんな感じだったと思います。
おそらく友達が上記のような理由で保険に
加入した、正確に言えば、保険屋さんに
加入させられたんだと思います。
しかし私からすれば、年齢は保険加入の
理由にはなりませんし、入院に備える方法
は保険がベストではないと思っています。
その証拠に私自身、生命保険、医療保険に
一切加入しておりません。
ちなみに保険を全否定している訳ではなく、
保険が必要な人と、必要ではない人がいる
という事を多くの方に知ってほしいのです。
あなたは保険に加入するべきなのか?
詳しく解説していきましょう。
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保険の目的とは?
まず保険の目的を理解することが重要です。
保険は大きく分けると
A:生命保険
B:医療保険
C:年金保険
これら3つの分野に分かれます。
それぞれ年末の生命保険料控除対象となる
3分野ですね。
噛み砕くと、
Aは「死んだときの保障」
Bは「入院、手術、通院に備える保障」
Cは「老後の資金を効率良く作るもの」
と言い換えることができます。
さて早速ですが、あなたはA、B、Cの
保険がそれぞれ必要でしょうか??
順番に説明していきましょう。
生命保険加入が必要な人
簡単に言えば、自分が死んだ時に経済的に
影響を受ける人がいるなら、生命保険への
加入は必要になります。
典型的な例としては、子どもが生まれた
ばかりで仕事を辞めてしまった奥様がいる
ご主人は保険加入が必要でしょう。
この状況でご主人が亡くなってしまうと
奥様、子どもは経済的にかなり厳しく
なりますよね?
遺族年金があり、奥様が働いたとしても
住居費用や教育資金、同時に自分の老後
資金を貯めなければならないというのは
かなり過酷だと思います。
このような自分が亡くなった時、
経済的に困ってしまう人がいる方は
生命保険へ加入することをオススメします。
しかし、冒頭で説明した29歳独身女性は
自分が亡くなったとしても経済的に厳しく
なる人が今はいない状況です。
葬式代くらいの貯金はあるそうですし、
親や兄弟の生活を支えているわけでもない。
彼女が亡くなってしまうと家族はとても
悲しむと思いますが、その後の生活に
経済的不安を抱くことはないでしょう。
今の彼女に生命保険は必要ないのです。
もちろん、これから結婚をして子どもを
出産し、夫婦共働きとなった時には
検討する必要があるかもしれませんね。
医療保険加入が必要な人
入院した時のため・・・
手術を受けることになった時のため・・・
ガンになった時のため・・・
こう不安をあおられると
「医療保険って必要かも?」
と、思ってしまうかもしれませんね。
確かに私も入院しないと言い切れませんし、
ガンにならないとも言い切れません。
入院するとお金がかかることも事実です。
しかし、それと同時に思っているよりも
多くお金がかからないことも事実です。
ご存知でしたか?
年々、入院期間は短くなっているのは
周知の事実で、ガンなら一週間前後で手術、
退院してしまうようなスピード感です。
堀ちえみさんがステージ4の舌癌で
入院、手術を受けてから退院するまで
1週間~2週間の非常に短期間でした。
さらに社会保険で「高額療養費」という
制度があり、多くの方の1ヶ月あたりの
入院費用は約9万円が上限になります。
入院時の食事代や個室ベッドの差額代など
を考えても、合計20万円~25万円程度の
支出になることが多いでしょう。
この出費は確かに大きいのですが、
・一日入院して10,000円(税込)もらえる
・一回の手術で10万円もらえる
・ガンで入院したなら上乗せ10,000円(税込)
こういった医療保険に加入するためには、
35歳男性なら毎月3,500円程度の保険料を
払わないといけないでしょう。
年間で42,000円、10年で420,000円、
平均寿命までの約50年間と考えたら
2,100,000円も支払わないといけない
計算になります。
210万円払って、入院や手術給付金で
元が取れるのか?と考えると、
私は「難しい」のではないかと思いますし、
それなら保険料分を毎月貯金しておくのが
正解では?と思っています。
個人的には、入院や手術に備えるなら
医療保険ではなく『貯金』ですね。
逆にいえば、現時点で貯金がない人、
または貯金ができない体質の人は
医療保険に入っても良いかもしれません。
ただ、貯金ができた時には医療保険は
解約するという流れが良いでしょう。
個人年金保険に入らなくて良い人
私は36歳ですが我々が老後を迎える頃、
公的年金制度がどうなるかわからず、
不安を抱いている方も多いかもしれません。
個人的には公的年金は一切ないものとして
今からガッポリ貯金をしたり、老後の収入
をどう作るかを考えています。
もらえたとしても微々たる金額だと思って
ますし、本当にどうなるかわかりません。
こういった不安を解消する為、自分自身で
お金を貯める方法の一つに個人年金保険が
あります。
銀行の普通預金より利率がよく、年末の
生命保険料控除の対象になるなど税金面の
優遇もあるため、活用している人も多い
かもしれません。
しかし結論から言えば、これは老後の為の
「貯金」なので、自分で貯金できる人は
あえて加入する必要はありません。
あえて個人年金保険に加入するメリットは
前述の通り、税制面の優遇があること、
そして半強制的にお金を貯めることが
できることです。
自分でお金が必要になった時に安易に
取り崩しができないため、老後資金を
確実に貯めることができます。
また、外貨建てなどでなければ元本が
保障されている、つまり、払ったお金が
減ってしまうということは起こりません。
確実にマイナスにならないことを希望する
人には良い選択肢かもしれませんね。
逆にデメリットとして、
お金を使いたい時に引き出しすることが
できません。
車を買おうとした時、子供の教育資金に
個人年金を取り崩しできず、
カーローンや教育資金ローンを組んで
無駄な金利を払うことになってしまっては
意味ありませんよね?
さらに自身で貯蓄や運用をすることを
学べば、個人年金保険以上に効率よく
お金を増やすことができます。
もちろん元本割れも可能性としてある
わけですが、10年、20年という長期で
積立投資をすれば、限りなく元本割れの
可能性を少なくすることができます。
・・・・・・
このように必ずしも保険は悪いものでは
ありませんし、絶対正解な金融商品でも
ありません。
重要なのは周りの意見に流されずに、
あなた自身が本当に保険の力を借りないと
いけないのか?を考えることなのです。
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保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。