「資産運用」と聞いて、あなたはどのようなイメージを思い浮かべますか?
最近では「iDeCo」や「つみたてNISA」の認知度がかなり上がってきたように感じます。
認知度が高くなってきたとはいえ、まだまだ資産運用に対しては「お金が減りそう」「怪しい」「危ない」などネガティブなイメージが先行している印象もあります。
資産運用をしている人よりも、していない人の方が多いのは、そういった心情の裏返しでもありますね。
資産運用をする商品カテゴリーとしては、
■FX(外国為替証拠金取引)
■株式投資
■不動産投資
■投資信託
■運用目的の保険
などがあります。元本保証と言って『100万円預けたら絶対100万円未満にはならない』ことを約束している商品もあれば、最悪の場合『0円』になる恐れがあるハイリスク商品もあります。
リスクとリターンの大きさは比例します。『ハイリスク(危険度高い)』な運用商品は『ハイリターン(大きな収益が見込める反面、大きな損をする可能性もある)』なのです。
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何から始めたら良い?
「資産運用にはすごく興味があるのに、何からスタートすれば良いかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
心中を察すると「お金は増やしたい」。しかし「失敗してお金を減らすのは嫌だ…」こんな感じですよね。
確かに『危険性なし、リスクゼロ』で、できるだけお金を増やしたいという気持ちはわかります。
『100万円を1年で確実に200万円』にできる投資商品があれば最高ですが、こんなものがあるハズがありません。あったとすれば基本それは詐欺だと思った方が無難でしょう。
前述の通り、リターンはリスク度合いの裏返しです。ギャンブル・博打のような投資を我々のようなプロではない『初心者』は、するべきではありません。
面白くないと思うかもしれませんが「一気に増やそう!」という気持ちは捨て、20年~30年という長期間で増やしていくと考えるのが資産運用ではとても大切です。
長期、分散、積立が鉄則
「何に投資をするといいのか?」と考える人が多いのですが『投資をする商品』よりも『投資の仕方』の方が、実はとても大切です。
資産運用をする上で大切な考え方が「長期的にすること」「資産を分散すること」「積み立てていくこと」この3つになります。
具体的な言い方をすると「長期間(最低でも15年以上)」「世界の様々な金融商品に分散して」「決まった間隔で(毎週・毎月一定額)」を投資していきましょうという考え方です。
実際に金融庁も、リターンの安定した投資をするには「長期的に考えること」「投資をする時期を分散」「投資する商品をグローバルに分散」この3つの組合せが有効であると発表しています。※一部わかりやすく文章変更
長期、積立の具体例
では具体的に『毎月一定額』を『積立てる』となぜ良いのかを見ていきましょう。
結論から言うと「価格変動のリスクを分散させる」ことができるからです。
例えば、あなたはケーキ屋を経営しており、フルーツが目玉の専門スーパーで「1万円でミカンを100個」買ったとしましょう。ひとつあたり『100円』ですね。
しかし次の日にスーパーにいくと「1個50円」に値下がりしている。
さらに翌日「1個25円」に値下がりしている。
「2日前に100個買わなければ良かった」なんて後悔していたら、翌日ミカンが暴騰し「1個250円」になっていたとします。
結果的にこの人はいつミカンを買うのが正解だったのでしょうか?
長期、積立の効果
上の例において、あなたは初日に1万円全額を使い、ミカンを購入してしまいました。
しかし、これを4日間に渡り2,500円ずつミカンを買っていたらどうでしょう?
1日目:2,500円で25個(単価100円)
2日目:2,500円で50個(単価50円)
3日目:2,500円で100個(単価25円)
4日目:2,500円で10個(単価250円)
合計すると1万円で『185個』のミカンを購入することができるのです。
初日に1万円全額を使いきってしまったら『100個しか』ミカンを買えませんでしたが、期間を分散することでより多くのミカンを購入できるわけです。
注目すべきは3日目の最安値の時には大量のミカンを買うことができており、4日目の最高値の時には少量のミカンしか買っていないという点です。何も考えていないのに、自然とこのような買い方ができるのが積立の良いところです。
この例は4日間という短いケースですが、これを1年、5年、10年と継続する事でより安定した価格で、より多くのミカンが購入できるということになります。これが『長期』『積立』という考えです。
そして、これが『ミカン』ではなく『金(ゴールド)』だったとしたらどうでしょうか。初日に全額購入していたら悲惨でしたね。
もちろん3日目に「爆買い」できれば最高なのですが、それを予測するのは私たち初心者には到底無理なことです。
おそらく「もっと下がるかも?」という気持ちになり、4日目に期待してしまうでしょう。
だからこそ決まった期間毎に、決まった金額を購入することで運用成績がより安定するのです。
※ここに『分散』という考えを付け加えることでより資産運用は安定するのです、今回は割愛します。
少額から始めよう
どんなに安全だと思われる「長期、分散、積立」投資だとしても、初めて投資をする人は必ず『少額』からスタートしましょう。
投資を実際にしてみるとわかることですが、毎分毎秒、投資したお金の変動が気になり、本業の仕事が手つかずになりやすいです。
特に全財産に近い金額を投資している、または100万円単位のお金を動かす場合、その傾向が強くなります。
比較的安全な長期分散投資であったとしても、毎日毎日、右肩上がりに増え続けるわけではありません。
100万円が70万円になってしまうような金融危機が起こる可能性も否定できません。
運用成績が良い時は、気分がとても良くなります。
しかし反面、悪い時は気分も落ち込み、イライラしてくることでしょう。
結果、仕事が手につかないだけならまだしも、家庭内の雰囲気が悪くなってしまう恐れも十分あります。
だからこそ、一喜一憂しないような余剰資金で少額から始めるのがベストです。経験を積み、コツを掴んでから投資額を増やすのもひとつです。
もしこのお役立ち情報を見て興味が出たのなら焦らず、ゆっくり、心に余裕のある状態で資産運用を始めてみてください。
保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。