「うーん…予算よりも150万円もオーバーしているなぁ、どうしよう…」
あなたがこれから家を買おうとしているなら、同じようなことを考える日がきっと来るでしょう。
ハウスメーカーから最初の見積書を出された時、ほとんどの人が当初想定していた予算よりも『高い』見積金額を提示されています。
この原因としては「相場がわからず、とりあえず要望をそのまま伝えた結果、めちゃくちゃ高くなった(ここで現実を知る)」「売り手(ハウスメーカー)もできるだけ高い家を売ろうとしている」からだと思います。
「あれ?思ったよりも安かったね」という状況になるのは、20組に1組いるかどうかでしょう。
となると、必然的に「どうやって減額しよう…」「家をもう少し小さくしよう」「このオプションはいらない」「もう少し値引きしてくれませんか」みたいな話になっていきます。
しかしここで冷静になって考えたいことがあります。
皆さん、なぜ『見積書の金額』にしか目がいかないんでしょう?
私はこの光景を見て、いつも不思議に思います。
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利息込みの総額、いくらですか?
『現金で一括払い』をする人であれば、見積書の金額にだけ確認すればOKです。
しかしマイホームを購入する際、住宅ローンを使わず現金一括払いをする人は、圧倒的な少数派になります。
ほとんどの方が住宅ローンを利用するわけで、つまり『利息』がかかることになりますよね。
仮に土地、建物、諸経費の合計金額が4,500万円で、35年返済、金利が1%だとしたら支払総額は『53,351,997円』にもなり、利息だけで『8,351,997円』も支払うことになるんですよ。
「見積金額を何とか4,500万以内に抑えたい…」と考える人は多いのですが、「利息込みの総額を5,000万円以内に抑えたいな…」と考える人はほとんどいません。
目先の見積金額や土地、諸経費を含めた総額を気にするばかりです。
大切なのは総返済額をどう減らすか?
住宅ローンをどこで組むか、金利タイプ、返済期間等、諸々の条件で支払う合計金額は変わります。
先程の4,500万円のケースも金利がわずか0.05%低くなっただけで支払額は『52,912,721円』、つまり利息が『約440,000円』も減ります。
見積書だけを見て「どうやって30万円減額しようかな…」と考えているくらいなら、住宅ローンの賢い借り方を考えた方が圧倒的な効果を得ることができます。
ということで、これから住宅ローン返済額を減らすための選択肢をお伝えします。
ぜひ、参考にしてみてください。
① 金利が変われば、利息も変わる
当然ですが、金利が低くなれば、利息も減ります。
ハウスメーカーの営業マンが進めてくる銀行の住宅ローン、金利を鵜呑みにせず、色々な金融機関の住宅ローンを比較・検討しましょう。
1時間でいいのでスマホであらゆる金融機関の住宅ローン商品を見比べてみてください。
「この銀行、なかなか良さそうだな」という銀行が必ず出てくるはずです。
それをハウスメーカーの営業マンに「これ、どうでしょう?」と提案すればよいのです。
その銀行の商品について、より深く説明してくれるでしょう。
注意点としては、ハウスメーカーの営業マンの中には、あなたにとって最適な銀行ではなく、『いつも使っている』使いやすい銀行を進めてくる担当者もいます。
手続きの方法や必要書類も銀行ごとに違い、面倒くさいと思うからです。
② 返済期間が短ければ、支払利息は減る
最近では『40年返済』という超長期間返済がOKな金融機関が増えてきました。
返済期間が長くなれば、毎月の支払額も減りますので40年返済を進めてくるハウスメーカー担当者も多いでしょう。
4,500万円を金利1%で借りた場合、40年返済の利息は『約961万円』、35年返済なら『約835万円』、30年返済は『約710万円』、25年返済は『約587万円』です。
同じ金額を同じ金利で借りたとしても、できるだけ返済期間を短くすることがきれば利息はこんなにも減るのです。
ちなみに、返済期間は1ヶ月単位で決めることができます。420ヶ月(35年)とか、414ヶ月(34年6ヶ月)とかです。
注意点としては短い期間で返済する分、どうしても1年ごと、1月ごとの返済金額は増えてしまいます。
返済期間を短くしすぎると、新居に引っ越ししてからローン返済が負担となり、生活水準を落とさなければならなくなる可能性もあります。
住宅ローン返済はよくマラソンに例えられます。
できるだけ早く完走することはもちろん大切なのですが、一番大切なのは完走すること。
住宅ローンも同様にできるだけ利息を減らしたいものの、大切なのは返済しきることです。
最初にペース(返済額)を上げすぎて、途中リタイヤ(住宅ローンが払えない)にならないように気をつけましょう。
③ 借入金額が変われば利息も変わる
4,500万円の家を購入するからといって、ローンも4,500万円の満額を借りないといけないわけではありません。
頭金を入れれば住宅ローン借り入れを少なくすることができます。
元本を減らすことで利息も減らすことができますので、預貯金がある人は、頭金をいくら入れるべきかについて考えてみると良いでしょう。
ちなみに「貯金が全くありません…」という人は「親ローン」、つまり親からお金を借りることを検討してみてもよいでしょう。
注意点としては、親ローンの場合は『贈与』とみなされないよう、たとえ親子間でも金銭消費貸借契約をしっかりと結び、利息を払うようにすることです。
※贈与(あげた)とみなされると、贈与税がかかってしまいますからね。そして親から借りた分の資金については、住宅ローン控除の適用外となりますし、団体信用生命保険もつかないのでその点も気をつけてください。
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このように住宅ローンの借り方、支払い方を変えることで、支払総額を減らすことができます。
見積書の金額をどう減らすか?に注力することも悪いことではありませんが、それ以外にも大切なこと、優先させることがあることを知ってもらえればと思います。
保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。