まだやっていない?新NISAのメリットと注意事項を解説

2024年からNISAが新しい制度に変わったこと、あなたはご存知でしょうか?

「当然知ってますよー」という人もいれば「何となくニュースで聞いたことがあるような…ないような…」みたいな人もいるでしょう。

価値観や興味関心は人それぞれですから、知っていても知らなくてもまったく問題ないことです。

個人的にはFPという職業柄もあり、当然NISAはフル活用していますし、昨今の株高の恩恵も受け、まあまあの運用益が出ています。

そんなNISAが冒頭の通り、2024年からスーパーグレードアップしました。

「興味があるけど、重い腰が上がらない…」という人は、このタイミングで自分にムチを打って始められるといいですね。

どう拡充される?

詳しいことは「NISA 2024新制度」で検索すれば出てきますので割愛しますが、

  • 非課税で運用できる期間が最長20年→無制限に!
  • 累計投資額の上限が800万円→1,800万円に!
  • 年間最大120万円までだった投資金額が360万円に!
  • つみたてNISAと一般NISA(一括投資)の併用が可能に!

端的に言えば、『非課税で投資できる金額が増える』ということです。

2023年までは、

つみたてNISA:年間40万円×最長20年間=合計800万円

この800万円が非課税で運用できる上限だったのですが「原資800万円だけでは、老後資産を十分蓄えることができない」という意見も多く、上限額が拡充された形です。

既にNISAで運用をしている人や、多くの経済アナリストからは、おおむね好意的な意見が聞かれました。

とはいえ「老後資産を効率よく貯められるシステムを作ったから、あとは個人の責任において頑張ってね」という政府からのメッセージとも受け取ることができます。

この国からのメッセージを受け止め、せっかくなら上手に活用した方がよいですね。

ある調査によれば、NISAの普及率は13%~15%程度で、7人に1人しかやっていないようです。

今から始めても、全然遅くありませんよ。

デメリットってないの?

一番のデメリットは『NISAは資産運用なので、増える可能性もあれば、減る可能性もあること』でしょう。

様々なインフルエンサーの影響もあり、

「アメリカの主要会社に投資するインデックスファンドに投資しておけば、間違いなく増えるんでしょ?」

と、簡単に考えている人もいるようですが、運用方法や出口戦略のタイミングを間違うと損をする可能性も十分にあります。

また、実際に資産運用を始めてみるとわかりますが、自分の投資した株の価格が下がり、お金が減ってしまうと、精神的苦痛や不安を感じ、情緒不安定になってきます。

どれだけマイナスになったら精神的に病んでくるか、どの程度病んでくるかの度合は人それぞれ違いますが、日々の生活に大なり小なり影響はあるでしょう。

お金が減ってしまう可能性があることだけではなく、そこから発生する精神的苦痛や不安、情緒不安定による日々の生活への影響(怒りっぽくなる)など、こちらの方が大きなデメリットかなと思います。

あまり語られない注意事項

これは盲点ですが「運用しすぎて、現金がなくならないようにすること」に注意しましょう。

前述の通り、2024年から年間・累計それぞれ最大投資額が増えますから、運用に慣れている人ほど「貯金していても増えないし、もっとNISAにお金を突っ込もう!」となる傾向があります。

極端な例ですが「年間120万円貯金ができる人が、その120万円を全額NISAに突っ込む」みたいな感じです。

NISA以外にも、それなりに現金があれば良いのですが、

  • 車が故障して買い替えが必要になった
  • 子どもが私立高校(大学)に進学することになり学費がかかる
  • マイホームのリフォームが必要になった
  • 入院、手術が必要になり、大きな出費が…

このような大きな現金が必要になるタイミングで手元に現金がないと、せっかく運用したNISAを解約しなければならなかったり、高い金利でカーローンや教育ローン、リフォームローンを借りなければならなくなります。

NISAは簡単に解約できますから、万が一の場合には現金化できるのですが、リーマンショックやコロナショックのような株価が下落しているタイミングと重なってしまうと元本割れし、損をしてしまう可能性もあります。

その為、ある程度の現金を預貯金しておくことだったり、今後のライフプラン(人生設計、出費予定)を立ててから、NISAにまわしても問題ない金額を把握するべきでしょう。

上手に活用すれば最高の制度

デメリットは一応あるものの、正しくNISAの仕組みや運用方法を理解することができれば、新NISAは将来の家計を間違いなく助けてくれる制度です。

新NISAでは、つみたてNISA枠と成長投資枠(一括投資)を併用することができたり、一旦利益確定させた運用元金分を再投資することができたりと、今までのNISAよりも複雑になる部分もありますが、そんなに難しいものではありません。

最初は欲を張らずに、少額からチャレンジしてほしいと思います。

新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。

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