あなたはマイホームを買うべきなのか?

結論から言いますね。

マイホームはできるだけ『早く買うべき』というのが、住宅購入専門FPである私の考えです。

理由はできるだけ『早く』、つまり、できるだけ『若い時』からローンの支払いをスタートさせることにより『定年退職前にローンの完済ができる』可能性が高くなるからです。

20代より30代、30代よりも40代の方が一般的には年収は高くなる傾向ですが、実は、お金を稼ぐことができる期間が長い方が安定してローン返済をしていけるのです。

さらに定年後、安定した収入がなくなると、希望する賃貸アパートの契約ができなくなるリスクもあります。

仮に賃貸マンションや賃貸アパートにずっと住んでいることができるとしても、ずっと家賃を払い続けなければなりません。

これらの理由から、できるだけ早くマイホームを購入し、退職後に住宅費用がかからないという状況にしておけると良いですね。しかし、

私は家を買ってません

そうなんです、私は家を買ってません。

「矛盾している。説得力がないじゃないか!」と思わないでください。

なぜなら私は「独身」「家を建てるなら未来の嫁さんと一緒に楽しみながら家づくりがしたい」「札幌にずっといるのか不確定」などの背景や考えを持っているからです。

私だけではなく、人にはそれぞれ様々な事情や背景がある為、状況次第では家を買うべきではない人もいるのです。

今回のお役立ち情報では「家を買うべきではない人」に当てはまる5つの項目を説明していきます。

①家賃がかからない

現在は社宅に住んでおり、ほとんど家賃を払っていない人。

または社宅ではないものの、会社から家賃手当・家賃補助がかなり出ており、マイホームを購入するとその手当がゼロになる人。

このような人は、急いで家を購入する必要がないかもしれません。

『家賃がかからない・充分な家賃手当をもらえている』うちにできるだけ貯蓄をし、子どもが自立をした後に「夫婦二人でコンパクトに住むことができる家」を建てたり、貯めたお金を元に「その時に住みたい街に住む」という選択肢もあります。

『人生100年時代』と考えれば、ずっと家賃を払い続けるよりマイホームを購入した方がお得になる傾向が高いのですが、ある程度の期間、住宅費用がかからない事情がある人なら、どちらがお得なのか試算してから考えることをオススメします。

②実家がもらえる

今後、実家がもらえたり、相続する可能性がある場合は、購入するべきか検討したほうがよさそうですね。

近い将来、手に入りそうな資産があるなら、その前にわざわざマイホームを買う必要性は低いかなと思います。

もちろん自分で土地を買い、新築を建て、実家を相続したときには「売却」をして現金化する選択肢もあります。

しかし実家の立地がものすごく良い場所で「こんな場所、買いたくても買えない」ということもあったり、逆になかなか売れなかったり希望の金額で売ることができない不動産もあります。

実家などの古い家ではなく「キレイな家に住みたい」と考えるにしても、新築を建てるよりはリフォームやリノベーションする方が費用を安く抑えることができますからね。

③家族構成に大きな変化がある

既に結婚をしており、子供が一人いるが今後、もう一人くらい欲しいな…という状況で家を買う人はとても多いです。

この場合なら、ある程度必要な部屋の『数』や『広さ』は把握できますよね。

4人家族でも狭くないリビング、4人用のテーブルを置けるダイニング、客間、寝室、子供室は2部屋などなど。

しかし、私のようにまだ独身だったり、子どもを産みたいのか不確定な方は、家づくりを焦る必要はないかと思います。

将来の家族計画が見えてきた時に、どのような暮らし方をしたいかを明確にし、そこから家づくりをスタートしても遅くはありません。

また、全国転勤がある会社にお勤めで、転勤となった際に単身赴任をするかしないか迷っているご夫婦も同じです。

今後、引っ越しをしない(単身赴任する)という覚悟ができた時に家を買えばよいと思いますよ。

④今後の収入が不安定

「転職がしたくてたまらない…」「残業代と歩合給の割合が高く、不安定…」「いずれ独立して、事業を起こしたい!」

このように今後の収入がかなり大きなブレがありそうな場合は、焦って家を購入するのを待つべきかもしれません。

マイホームが賃貸マンションやアパートと圧倒的に違うところは『家賃を簡単にコントロールできない』ことです。

賃貸マンション・アパートの場合、収入の増減に伴い「もう少し家賃の安いところに引越ししよう」「車を一台手放して、駐車場を解約しよう」といった選択をすることも可能です。

しかし、マイホームを購入してしまうと支払い金額を自分で簡単にコントロールすることが難しくなります。

収入が不安定になる可能性が高いなら、マイホーム購入を焦る必要はないと思います。

⑤購入できる家計ではない

そもそもですが、一番大切なことは『家を購入できる家計状況なのか?』です。

賃貸アパート住まいの現時点で、家計が明らかなマイナスになっているなら、これは完全に買ってはいけない状況ですね。

また、今はギリギリ数万円を貯金できているという家計の場合、マイホームを購入した後もそれができるとは限りません。

なぜなら、マイホームを購入した後の方が生活費が多くなるのが明らかだからです。

水道光熱費は、家が大きくなった分、多くなってしまうのが一般的です。

固定資産税や修繕費用といったマイホーム特有の固定費もかかるようになります。

さらに子どもが中学生、高校生、大学生となるにつれ、多くの学費がかかるようになっていきます。

ご飯を食べる量が多くなり食費がかさみ、携帯電話を持たせなければならず、お小遣いも数千円をあげるようになれば、これだけで家計は火の車になってしまう可能性もありますね。

やはり最重要、大前提なのは『家を購入して問題ない家計なのか?』ここに尽きるのです。

本日のまとめ

冒頭で触れたように私の基本的な考えは「マイホームはできるだけ早く買うべき」なのですが、そのご家庭の状況によって全く違うアドバイスをすることもあります。

それはお金のことだけではなく、その家族の事情、状況、考え方、家に対する想い…などなど次第です。

家が欲しいと熱くなっている人は今一度、冷静になって自分は家を建てるべきなのかを考え直してみてください。

そこで導き出された答えが、あなたの人生を変えると言っても過言ではありませんよ。

新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。

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