私が加入している保険について

今日は、保険が大好きな日本人についてのお話しです。世界中を見渡しても、日本人は保険が大好きな民族みたいです。他国の人に比べ、心配性なんですかね?

日本の世帯当たりの年間の保険料は、なんと『52万円!』だそうです。月で4.4万円、これでは家計がかなり厳しそう・・・。「払いすぎですよ!」と私は思うのですが、多くの人は『もしもの時』のために保険にたくさん入っているみたいです。

さて私もそんな日本人ではあるのですが、私個人に対しての生命保険・医療保険は全く加入していません。

生命保険に入らない理由

貯蓄型、掛け捨てに関わらず、死んだら受取人にお金が入るシステムが生命保険です。さて、この生命保険に入らない理由はとても簡単です。

それは、『私が死んでも誰も経済的に困らないから』です。

私が死ぬことで、何かと迷惑をかける人はおそらく何人かはいます。例えば、お客様や取引会社の方々ですね。

さらに私が死んだとき、悲しんでくれる人も少なからずいると思います。例えば家族、友人、一部のお客様。

しかし、私が死ぬことで経済的に困る人は、現時点では一人もいません。独身ですし、親の介護も必要なし、借金をしているということもありません。200~300万円程度の葬式代なら、私の遺産(資産)で十分対応可能ですから生命保険は必要ないのです。

ここでひとつポイント・・・それは『現時点では』ということです。結婚をし、子供が生まれたら、子供の生活費や教育費にあてるくらいは保険に加入することになるでしょうね。

医療保険に入らない理由

【入院したら1日5,000円もらえる】【手術を受けたら10万円もらえる】このようなものが医療保険です。

保障の手厚さはもちろん、年齢と性別、保険料を払い込む期間にもよりますが、「死ぬまで保険料を払い続ける『終身払い』で、35歳男性、入院1日5,000円、手術1回10万円」このような医療保険なら、保険料は月々3,000円程度かなと思います。

さて、私の事務所に相談に来る方のうち、9割以上が医療保険に加入されています。そのくらい医療保険の加入率は高いですね。

生命保険と異なり、保険金の受取人は自分自身ですから、独身だったとしても自分のために加入しておく必要があると考える人が多いのだと思います。

「社会人になったら保険に入らないとね」「もし入院したら、お金がかかるよ」「入院が長びいたら給料がもらえなくなる」などなど、保険の営業マンもこのように不安を煽り、「医療保険は必要」だと提案するのですが、やはり私は入っていません。

なぜなら、医療保険は元が取りづらい保険だからです。

具体的な計算例

先程の例の場合、月々の保険料が3,000円、つまり年間で36,000円を支払います。

35歳が平均寿命81歳まで生きると46年。年36,000円×46年間=1,656,000円を生涯で支払うことになります。

これに対し、入院1日でもらえる保険金は5,000円ですから、元を取るなら331日も入院をしなければなりません。

医療保険には、1回の入院で保険金が出る『上限の日数』が定められています。

仮に上限が『60日』であれば、60日の入院を生涯で5回したとしても、元が取れないことになります。

現在、入院期間はとても短くなっており、私の母が5年前、乳がんで入院した期間はたった『6日』です、1週間無いんですよ。ぜんぜん元が取れる気がしません。

もちろん、中には入院を繰り返し、色々な手術を受け、支払った保険料以上の保険金を受け取る人もいるとは思いますが、本当に極わずかです。

これらの理由から、個人的に医療保険は一番メリットを感じない商品です。その為、私は医療保険に加入しないで、もしもの時の為に自分で貯金をしています。

ちなみに上記の理由以外にも、「高額療養費制度」「傷病手当金制度」といった社会保障制度により、ある程度、長期入院のリスクを軽減できる保障が日本ではされているんです。なおさら、民間の医療保険は必要ないかなと思ってしまいます。

医療保険に入るべき人とは?

ちなみに、医療保険を全否定しているわけではありません。医療保険に入っておくのが現時点ではオススメの方もいます。

具体的に言えば、「現時点で貯金が50万円以下」のご家族は医療保険に加入することを検討して方が良いでしょう。

「貯金で対応できなくはないが、入院して10万~20万の出費があるとかなり厳しい・・・」こういった方は貯金がある程度できるまで、医療保険に加入するというのもアリですね。

またこれから子どもが欲しいと考えていて、切迫早産や帝王切開、出産後の乳がんの心配がある方などは、期間限定で医療保険に加入するという考えもアリです。

私が加入している保険

そんな私でも加入している保険もあります。

まずは『自動車保険』。これは車を持っている以上、自賠責保険という強制加入の保険に入ると同時に、もしも事故を起こした時に相手へ補償する必要があるので加入しています。

さらに『個人賠償責任保険』。これは日常生活で他人から損害賠償請求をされるような事故を起こしてしまった時の補償になります。私は国内の事故なら1億円まで出る保険に年間1,500円程度の保険料で加入しています。

この2つの保険に加入している理由は、「自分の貯金だけでは、どうしようもできないくらいお金が必要になる可能性がある」からです。

「保険に入るしか自分を守る手段がない」こういうときのために保険はあるのです。

死んだとき、葬式代がないよりはあるに越したことはないでしょう。入院した時も全然お金がもらえないよりは、数万円でももらえたら嬉しいでしょう。

とはいえ、これらは貯金で対処することがなんとか可能なんです。しかし、数千万円の賠償金となるとそうはいきません。

私が何億円もの大金を持っていれば、これらの保険に入る必要もなくなりますが、残念ながらそんなにありません。『保険の力を借りるしかない』のです。

結論、私が言いたいことは、「必ずしも保険に入らないといけない訳ではありません」ということ。そして「保険の力が必要になることもあります」という、とても当たり前のことなんです。

新松 尊英
札幌住まいのFP相談窓口代表。札幌で住宅会社の営業マンとして働いた後、中立的な第三者立場から住宅購入の相談ができる仕組みを確立するために独立。

保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。

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