2024年にマイホーム購入を考えている人に朗報です。
『子育てエコホーム支援事業』という最大100万円が受けられる補助金が発表されました。
2023年版は『こどもエコすまい支援事業』という名称で募集されていたこの補助金制度ですが、中身はほぼそのまま、想定通りといった形で『子育てエコホーム支援事業』という名称で正式発表されました。
以下でポイントを解説しますが、これからマイホーム購入を検討している方には、非常に大きな補助金ですのでしっかり確認するようにしてくださいね。
見出し
最大100万円の対象になるのは?
補助金はマイホームを購入すれば全員がもらえるわけではありません。
今回の補助金の趣旨は、以下ように発表されています。
子育てエコホーム支援事業
本事業はエネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年カーボンニュートラルの実現を図ることを目的とした事業です。
国としてはCO2を削減でき、長く住むことのできるエコな住宅を普及させたい。
かつ、子育て世帯は何かと出費も多いので、「エコな住宅を建てる子育て世帯には補助金をお渡ししますよ」という感じです。
ポイントは「子育て世帯」であること、そして「エコな住まいを購入される人限定」というこの2点です。
まず1点目の「子育て世帯」とは、
①18歳未満の子を有する世帯
②夫婦いずれかが39歳以下の世帯
このいずれかを満たした世帯であることです。
ポイントは既に子供がいる世帯だけではなく、まだ子供がいなくても夫婦いずれかが39歳以下という要件が当てはまればOKという点ですね。
この要件は、多くのマイホーム購入検討者が該当することでしょう。
エコなマイホームを建てるなら支援
ポイントの2点目は、「エコな住宅」を建てるということです。
最大額である100万円の補助を受けるには『長期優良住宅』である必要があります。
長期優良住宅とはざっくり言うと、
・地震に強く(耐震性能が高い)
・劣化がしづらい(長期間住める)
・CO2排出量の少ない(断熱性能が高く、光熱費がかかりづらい)
このような地球環境に配慮した省エネで、長く住むことのできる家のことです。
このようなスペックの家を建てて、かつ、行政から『長期優良住宅認定通知書』という証明書を発行された家が補助金の対象となります。
ハウスメーカーによっては、「長期優良住宅は取れるレベルだけど、申請に手間がかかるので認定は取っていない」という住宅がありますが、これではNGです。
しっかり行政から『長期優良住宅認定通知書』が発行されなければ、補助金の対象にはなりません。
ちなみに長期優良住宅よりも、ひとつレベルが下がるZEH基準の住宅の場合、補助金は80万円となる見込みのようです。
長期優良住宅、ZEH基準、どちらの補助金申請も住宅事業者(ハウスメーカーや工務店)が行いますので、心配はいりません。
3,500万円以上のローンを組む人は長期優良住宅
まだ住宅会社を決めておらず、長期優良住宅で建てるべきか、ZEH基準で建てるべきかを悩む人も出てくるかもしれません。
一般的には、長期優良住宅の方がZEH基準の住宅を建てるよりも高コストになります。
そのため長期優良住宅で100万円を受け取るのが良いのか、それともZEH基準の住宅で80万円を受け取る方が良いのかを、迷うことになるかもしれません。
個人的には、2024年以降の住宅購入は「長期優良住宅」優先で考えるべきだと思います。※もちろんマイホームへの要望や選ばれるハウスメーカー次第ではあります
長期優良住宅の場合、この補助金の恩恵以外にも、登録免許税や固定資産税などの税金面での優遇、地震保険の割引の適用があります。
また、大きな差として2024年から変わる「住宅ローン減税」があります。
2024年以降にマイホームを取得される方の場合、ZEH住宅では『3,500万円までの借入れ』が住宅ローン控除の対象になるのに対し、長期優良住宅では『4,500万円までの借入れ』が対象となります。
ざっくり言えば、住宅ローン控除が利用できる13年間で80万円~90万円程度、長期優良住宅の方が税金の優遇が多く受けられる可能性があります。
住宅ローンを3,500万円以上借りて住宅ローン減税を受ける人は、長期優良住宅で建築されるのがオススメになります。
札幌市近郊で土地を購入する人は、必然的に3,500万円を大幅に超えそうなので、長期優良住宅が良いかなと思います。
住宅業界に大きな後押し
この補助金を喜んでいるのは、住宅購入予定者(買う人)だけではなく、ハウスメーカーや工務店(売る人)も、大いに喜んでいるでしょう。
「今、マイホームを建てれば、国から100万円もらうことができますよ!」
営業する側からすると、こんなに強いパワーワードはありません。
しかも補助金は先着順であり、予算の上限に達しすると終了です。
おそらく例年通りなら2024年の9月くらいに予算消化となる可能性が高いでしょう。
このような状況を逆手に、ハウスメーカーの営業マンとしては
「先着順で予算に達してしまうと、もらうことができないので急ぎましょう!」
と焦らせてくることが予想されます。
結果として、営業トークに乗せられ、しっかり検討をしないまま契約してしまう人もたくさん出てくるでしょうね。
補助金も予算設定も計画的に
補助金100万円は非常に大きいです。
とはいえ何よりも大切なのは、あなたの住宅購入計画に無理がないかどうかです。
補助金を上手に活用して、無理のない住宅購入をしたいと考えている人は、今のうちから当事務所の「あんしんマイホーム資金計画書」の作成サービスをご利用することをオススメします。
契約直前になってから、多額のローンを組むことが怖くなり相談に来られる方が一定数いますが、正直、その段階まで来てしまっていると大きな方向転換をするのは難しいものがあります。
100万円の補助金は大きいですが、それよりも自分たちにとっての適正金額を知っておくことの方が比較できないくらい大切ですよ。
保険や住宅を売ることを目的にせず、有料で相談を受けている住宅購入専門のファイナンシャルプランナー。そのスタイルが支持され、札幌市近郊を中心に累計1,000件以上の住宅コンサルティングをおこなっている。